おとめ座
後ろ向きのジャンプ
時代の最前線としての身体反応
今週のおとめ座は、ありふれた神秘体験のごとし。あるいは、赤ん坊のような、からっぽの全開状態へと近づいていくような星回り。
神秘体験が神秘たりえるのは、一方でそれを「神秘」として排除してしまえる強固で理性的な現実世界があるからですが、現代ではそうした「現実社会」そのものがゆらいでいた上に、一連のコロナ禍でますますその輪郭が曖昧になるどころか、すでに破れが生じているように思います。
いずれにせよ、時代は「現実」がさらに大きくゆらぐ方向に向かっていくでしょう。そこではもはや「神秘体験」は奇跡でも不思議でもなくなり、むしろ「現実」が現実であることの方が奇跡的であると感じるように、感性や身体性もまた変化していくのではないでしょうか。
時代の変化というのは、いつだって言葉が追いついてくる以前の、身体的反応のレベルで起こっているのであって、少なくとも「時代を生き抜く知恵」とか「サバイバル術」といったものも、そこから組み立て直していくべきでしょう。
9月23日におとめ座から数えて「身体性の称揚」を意味する2番目のてんびん座へ太陽が移る秋分を迎えていく今週のあなたもまた、大脳的な知の領域でこねくり回してしまうのではなく、身体性のレベルで時代のゆらぎに適応していくことがテーマとなっていくでしょう。
夢の場所へ
今週のおとめ座に必要なものは、「二歩下がる勇気」とも言えるかも知れません。一歩といわず二歩も後退するのはなかなか勇気がいることですが、それはさっさと前に歩いていくことよりも今のあなたにとってずっと価値があるはず。
というのも、おとめ座の人に最も欠けているにも関わらず、この世を生き抜いていくために必要となってくるのが、手で触れられるくらい「リアルな夢」だからです。
それもこの場合、実現可能な夢かどうかよりも、その夢がどれだけ深いものであるかが大切で、ちょうどあなたという人生の内部にありながら、いまだ溶け込みきれず輪の外で佇んでいる幼い頃の自分として、“それ(夢)”は存在しているのでなければなりません。
色や形もぼやけた、曖昧で空虚で、ビルの合間にふいに現れる空き地のような夢の場所へ、ほんのちょっとだけ戻って、そこでまどろむ。
自分は何のために生きているのか、とかそういう難しいことは考えなくていいんです。ただ、その場所のおかげで今の自分が存在できているという「安心感」を取り戻していくこと。まずはそれだけを頭に置いて、後のことはすべて忘れてください。
おとめ座の今週のキーワード
There is a dream dreaming us.(ここには私たちを夢見ている夢がある)