おとめ座
オナラ行進曲
イモを食ってガスを抜こう
今週のおとめ座は、「土佐脱藩後いくつめの焼芋ぞ」(高山れおな)という句のごとし。あるいは、しょうもない現実に伴う哀感を受け入れていくような星回り。
土佐脱藩といえば、坂本竜馬のことを詠んでいるのでしょう。彼が脱藩したのは28歳のことで、それは決死の脱藩でした。そこから近江屋で暗殺されるまでの活躍は司馬遼太郎の『竜馬がゆく』の影響もあり、幕末維新を先導した偉大な革命家として国民的な人気を誇っています。
しかし、掲句のキモはそんな竜馬にのんきに焼芋を食わせていること。おそらく、作者の意図は安直に彼を神話化しがちなファンへの皮肉にあるのではないでしょうか。
どんな英雄にだって光もあれば影もあり、8日にわたる決死の脱藩行もすれば、その間もそれ以後も、焼芋をほおばってオナラだってする訳で、お腹を壊せば下痢もするし、あわよくば便秘で悩んだことだってあったかも知れない。むしろ、そういう哀感があってこその人間ではないか、と。
15日におとめ座から数えて「抜け感」を意味する3番目のさそり座で新月を迎えていくあなたもまた、ちょうどいい哀感を放てるくらいに、建て前や完璧主義をガス抜きしていくといいでしょう。焼芋だけに。
虚構から逃走せよ
言い方を変えれば、今週の星回りは犬のようなパラノ(偏執)から猫のようなスキゾ(分散)へとも言えるかも知れません。
すなわち、何か特定のことにこだわってふんばる態度から、色んな矛盾を引き受けつつも、水に流し、流れ流れていくような在り方へとシフトしていきやすいタイミングということ。
特に気合で何とかするとか、頑張ればぜったいに結果につながる、なんてマンガ的精神論はすぐに捨ててしまいましょう。あるいは、もし今あなたが抱えている利益や立場を大事に感じていて、現行の制度内に安住しようとしているなら、その制度や安定の虚構性をもう一度疑ってみる必要がありそうです。
脳というのは絶えず誤作動を起こしているもの。いったん対象と距離をとって、猫の目線となって「ニンゲンの現実」を見つめ直してみることをお勧めします。
今週のキーワード
ぷっぷっぷ~