おとめ座
想起と転換
あなたが生きるべき言葉
今週のおとめ座は、プラトンが「想起」と呼んだもののごとし。あるいは、一語との出会いによって何かが変わっていくような星回り。
かつてプラトンは、人が新たに何かを知ることはないのだと述べました。知らねばならないことはあらかじめすべて魂に宿っており、「知る」とはすべて「思い出す」ことに他ならないのだと。
そして、人はたった1つの言葉を「思い出す」ことで人生や生き方そのものが変わってしまうことがあり、そのために、時に多大なる熱量とそれなりの月日を費やしていかねばなりません。
動画の時代とも言える今の社会状況では「ひとつの言葉」など見過ごしても構わないと思ってしまう人も少なくないかもしれませんが、それは甚だしい勘違いです。
たとえ多くの言葉を知っていても、何かを知っていることとそれを生きることとはまったく違うように、自分が心から生かされる言葉に出会えた時、それがたった1つの言葉であっても、人は自分でも驚くくらい決定的に変わってしまうものなのです。
翻って、あなたの人生を変えてしまう可能性を秘めた言葉とは一体何なのでしょうか?
おそらくそれは「歩く」や「歌」や「流れ」、「悲しみ」のように多くの人にとっては耳慣れた言葉でしょう。おとめ座から数えて「言葉の獲得」を意味する3番目のさそり座で19日(日)に満月が形成されていく今週は、あなたなりの言葉の意味を思い出していくことがテーマとなっていくでしょう。
緊張と弛緩を織り交ぜる
しばらく解答の分からないままの状態から、「ああ、そうか!」というひらめきの快感と弛緩が訪れることを「アハ体験」と言いますが、今週はそうした体験のことを念頭に置いておくといいでしょう。
よく知られた実験では、自分の頭の中に腫瘍があるとして、それを取り除く方法について思いついたことをすべて口に出し続けてもらう、ということをします。そして発言に対してその都度、「それだとこういうリスクがあるのでは?」と切り返して、真剣に考えてもらう。要はウズウズ状態を作り出す訳ですね。
すると、多くの被験者において、論理を飛躍して突然、「外からレーザーを一点に集中させて取り除く」といった結論(現在の最先端の医療技術の発想と重なるもの)を思いつくことがあるのだそうです。
大抵はなぜそんな結論が出てきたのかは分からない。けれどひらめきとは、そうした通常の思考の流れを一足飛びに超えるところからしか生まれてこないものです。
大切なこと「思い出す」にあたっても、そうしたウズウズを積極的に作り出してみるといいでしょう。
今週のキーワード
アハ体験