おとめ座
いのちの呼応
イニシエーションとしての海王星体験
今週のおとめ座は、「全身で乳吸ふ赤子山笑ふ」(伊藤てい子)という句のごとし。あるいは、身体のこわばりが溶け、生命力の横溢を感じていくような星回り。
冬の季語である「山眠る」に対して、春の山の明るく生気に溢れたさまを表しているのが「山笑う」。そんな自然と呼応するように、生命力そのものであるかのような赤ん坊が、何の衒いもためらいもなく、乳を吸って自身の生を謳歌しようとしている。
おとめ座の守護星である水星が、許しと海容の星である海王星と重なっていく今週は、まるでそんな「赤子」へと自分が一時的に戻っていくように感じられるかもしれません。
それは、どこかで硬直し行き詰まってしまった自分自身に風穴をあけ、自然体を取り戻していくために必要なイニシエーションのようなものなのだと言えるでしょう。
その意味で、5日(金)に12星座の始まりであるおひつじ座で新月を迎える今週は、できるだけ身体をゆるめ、さながら自然に抱かれた「赤子」のように何か誰かに身を任せていくことがテーマとなっていきそうです。
童心に帰る
「ようやく子どものような絵が描けるようになった。ここまで来るのにずいぶん時間がかかったものだ」
というのがピカソの最晩年の言葉だったのだとか。そう聞くと、ピカソという人は子供のようにただただ絵を描く喜びの中にいることのできた人だったのでしょうね。
あなたが最近そんな純粋な楽しみを味わったのはいつでしょうか? そしてそれは最高の満足と比べてどれくらいの満足度でしょうか?
今週は、相手が人間であれ自然であれモノであれ、共にあるとき童心に帰れるかどうかが大切な基準になってくるでしょう。
まずは赤子が母や山に対してそうしたように、自分や相手の心臓の鼓動を感じようとしてみることです。
今週のキーワード
躊躇をなくす