おとめ座
支えと熱意
適度なところで整える
今週のおとめ座は、「あはれ子の夜寒の床の引けば寄る」(中村汀女)という句のごとし。あるいは、自分こそが誰か何かの支えになっていくのだと、静かに思いを固めていくような星回り。
冬の寒い夜、母子は布団を並べて横になっている。ふと肌寒さに目覚めて、布団を引き寄せると、我が子までも布団と一緒に引き寄せられて来た。
ああ、そんな軽い我が子が哀れで、また愛しい。そんな全身を貫くような思いを詠んだ句です。
「あはれ」という感嘆の後の「子の夜寒(よさむ)の床の」と「の」を畳みかけて思いの強さを強調しつつも、そこに「夜寒」と「寄る」で「よ」を重ね、じんわりと和らげることで整えている。
何気ない光景を詠んだ句ですが、思いが前のめりになりすぎず、適度なところで整えられるこの感じのよさ心地の良さは、滅多にないように思います。
きっと本当の意味で支えになれる人というのは、こういう感じなのでしょうね。
今週のあなたもまた、自分の中の誰かへの思いを鑑みたり、整えたりしていくといいでしょう。
適当なところを突き抜ける
その熱すぎる声援と過剰な感情表現で知られる松岡修造さんですが、彼はなにも生まれながら並外れて過剰な人だった訳ではありません。
応援メッセージというコンテンツで「けん玉もできる!」「イルカになった修造」など、さまざまなチャレンジを通して諦めない姿勢を伝えることで、自意識のこじれを超えて、もっと大きなレベルで自分を役立たせようとしているその姿を見ていると、もしかしたら彼はかつて誰よりも声援を受けとれず、そのことで深い後悔の念に沈んだことがことがあるのではないかという想像が湧いてきます。
どんな状況でも信じてもらい、それに応える自分を見てもらう。そんな経験を誰よりも欲してきたからこそ、他の誰かにも同じことをしてあげたい。そうした可能性も決して否定できないでしょう。
今週は、つまらない自意識のこじれをすり抜け、素直になること、素直でいること、そして誰かのためを思って一生懸命になれることの有難みを噛みしめていきましょう。
今週のキーワード
素直王