おとめ座
こわばった文脈から降りていく
高級な会話はどうでもいい
今週のおとめ座は、「サイダーの氷の穴に残りをり」(小野あらた)という句のごとし。あるいは、どこかで大人の世界の文脈から外れ、童心へと返っていくような星回り。
穴がある氷は、製氷機でつくられた飲食店の氷の特徴。その穴にサイダーが少し残っていて、そのことがどうしても気にかかってしまって、相手の話を聞いてない。
相手からしたら最悪って感じですが、まあそういう時もありますよね。
なんというか、その場で交わされている文脈にのっていけなくなるというか、ああ、なんかもうそんな話よりも、今は目の前の氷にサイダーが残っていることの方がよっぽど気になるぞ、みたいな。
子供の頃、家のそばの公園で地面を這う蟻の行列をじっと見つめていた時のような……。
そうそう、最も些細なことや最も日常的なことを感知することに全力を注いでいくことにこそ、なにか大切なことのすべてがあるという、あの懐かしい確信です。
今週は国際政治や論理・思想上の「大問題」など、高級な会話からは極力降りてしまいましょう。
ひとでなしになる
まともな大人でなくなっていくことで、人はかえって、自らを正しくエネルギーの場として思い出していく自由が与えられていきます。
例えば、お母さんの中から産まれてくる胎児が大きな「螺旋」を描いて、ずばーんと生まれてくる時というのも、人はエネルギーそのものであり、とびきり自由な存在でありましたが、いつからか人は純粋な意味でエネルギーの場であることをやめて、その流れをゆがめてしまうのです。
そういう意味では、ロレンスが「文明とは何か。それは発明品などよりも、感性の生活のうちに、明瞭な姿をあらわす」と言ったのは正しかったのだと言わざるを得ません。
今週は、これまであなたのエネルギーの流れを阻害してきた習慣や環境が見直され、いい意味で「ひとでなし」に近づいていくことで、水面上の日の光のきらめきのような、自然な明るさを受けとっていくことができるはず。
その瞬間をどうか見逃さないでください。正しく受け取れば、あなたの周囲への影響力は、これまでよりも、もっともっとポジティブなものになっていくでしょう。
今週のキーワード
感性の生活