おうし座
まず安心すること
内なる平和をとらえ、育てる
今週のおうし座は、「平和の順番」が問われていくよう。すなわち、あるいは、いかなる囲いを築くかよりも、自分の中の平和を改めて感じ直していこうとするような星回り。
出来事やそれにまつわる情報の流動性がますます高まっている昨今では、さまざまなものが私たちを守って保護してくれるはずの国家や地域、家、身体などの“囲い”を超えて、内側の安全性を脅かすもので溢れかえっています。
そうした状況では、どうしてもそれぞれが個人として自分だけを守る囲いを設けざるを得なくなり、どうしたら個人的に得になるような方向に囲いを強化していくかを考え行動していく流れになる訳ですが、そうして行動を重ねていくにつれ、他の個人の利益を守ろうとする囲いとぶつかることが次第に避けられなくなり、逆説的に平和は遠のいていきます。
しかしおうし座の人たちにとってつねに大切なのは、まず自分の中の安心感や幸福感であり、それらの種を身近な手の届く範囲内に見出し、ケアしていくことで、平和な状態の範囲を徐々に広げていくことではないでしょうか。少なくとも、自分の内なる平和を脇に置いて、世界の平和を築くなどということは決してありえないはず。
7月20日におうし座から数えて「潜在的な領域」を意味する12番目のおひつじ座で下弦の月(意識の危機)を迎えていく今週のあなたもまた、そうした「平和の順番」ということを改めて肝に銘じた上で、これはというところへ愛着の“水”を撒いて、内なる平和を育てていきたいところです。
自分だけの「洞」を持つ
7世紀の役小角(えんのおづぬ)を開祖とする修験道には、深山の奥深く、霊気の集まる洞(ほら)へ入って修行をし、呪力を身につけることで苦しみから救済され、また自分だけでなく民衆をも救済していくことができるという考え方があります。
今週のおうし座は、いわば、ごく普通の日常にとどまりながら、心だけはその中へと入れることのできる「洞」を見つけ、そこでスッと心を澄ましていくことがテーマなのだとも言えるかも知れません。
たとえば、15分くらいでもいいので、毎日決まった時間のあいだ雑音のないできるだけ静かに場所に座り、自分を「洞」にいるものとしてただ沈黙してみるのもいいでしょう。
その際、目を完全につぶってしまうと寝てしまうので、半分開けて半分閉じた薄目状態を保つのがコツ。座っているあいだは、できるだけ何も考えないこと。そして、それ以外の時間帯はこれまでどおり雑念にまみれるままに過ごしていく。
そうして胸のうちに小さな沈黙を秘めるということを繰り返していくと、やがて目を閉じた先に確かな「洞」が広がっていくのです。今週は、自分なりの言葉が出てくる前には、それと同等かそれ以上の沈黙が必要なのだということをよくよく胸に刻んでいきましょう。
おうし座の今週のキーワード
自分ひとりの部屋(ヴァージニア・ウルフ)