おうし座
ゆらゆら帝國
こちらは10月18日週の占いです。10月25日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
山水画の愉しみ
今週のおうし座は、山水画で遊んだ古人のごとし。あるいは、自分をラクにしてくれるものに大いに頼っていこうとするような星回り。
五代(10世紀)や北宋(10~12世紀)の時代の最も古い段階の山水画には、いずれも大地からにょっきりと突き出た山や岩の塊が描かれていますが、山頂が妙に丸みを帯びていたり、遠くの山々が霞の中に消えていたり、そもそも飛行機ほどの高さから見下ろした構図であったりと、実際の光景というより観念で描かれたもの特有の特徴が見られます。
例えば、11世紀の郭煕(かくき)の描いた「早春図」もまた、山そのものを眠りから覚めてむっくりと起きあがろうとしている巨人として描いており、冬から春に向かう自然界の「気」が山を生みだしたイリュージョンとして解釈することができる。
山水画の鑑賞では、絵がいきいきとして感じられるとき「気韻(きいん)生動(せいどう)がある」などとも言いますが、そこには画家が思い描いた理想の神霊や気の流れが、ひとつのレイアウトやデザインとして刻み付けられていた訳です。
彼らはそれをただ描いただけでなく、きっとそうした気の流れの中に何度となく身を置き、遊んでいくことで、自身の英気を養っていったのでしょう。
20日におうし座から数えて「無意識の調整」を意味する12番目のおひつじ座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、そうしたよい気を養うための時間や空間を大切にしていきたいところです。
A.T.フィールド解除!
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』には、「A.T.フィールド」と呼ばれるバリアのような特殊能力にやり取りが頻出します。正式名称は「Absolute Terror FIELD(絶対恐怖領域)」。登場人物の一人・渚カヲルによれば、それは誰もが持っている「心の壁」なのだと言います。
あるいはそれは、この世に生まれ出ることに対する根源的な不安を解消せんとする、誰しもがもつ胎内回帰願望のつくりだす「人工的な子宮」のようなものなのかも知れません。
したがって、ふつうは誰かが不意に「A.T.フィールド」にぶつかってきたとしても、それを簡単に開くことはできませんし、こちらが相手のそれをこじ開けることもできません。
ただ、もし自分が誰かから「子宮」としての投影を受けた場合、そうした壁は一時的にであれ、スーッと消失していくことがあります。それがたまたまであれ、そういうある種の誤作動の瞬間というのは人生を通じて時おり訪れているはず。
その意味で、今週のおうし座のテーマは、そうした誰かの心の壁の開かれや、心の秘奥に触れることを恐れないことという風にも言い換えることができるでしょう。
おうし座の今週のキーワード
レッツ胎内回帰