おうし座
哀愁のポジションで思う
ベテランサードの威厳を
今週のおうし座は、サードの守備位置に着いた野球選手のごとし。あるいは、自らの器が試されるような厳しい状況にあっても、冷静さと落ち着きを保つこと。
サードの選手ってホームの一番近くに立っているのに、決してホームインできないんだよね。それで、いつも自分はホームインするランナーを見送るばかり。
「帰る居場所がある人はいいよね、自分にはホームも待ってくれている相手もいない」なんちゃって。
まあ、サードは哀愁のポジションってことなんだけど、野球選手じゃなくても生きていればそんな場所に立たされることだってあるからさ。
今週もしそんな場所に立つことになったとしても、祝福しつつ、自分の立場に徹することが大事になってくるだろうね。
スピノザの感情論
17世紀オランダで活躍したユダヤ人哲学者スピノザは、その思想の集大成として『エチカ』を残したことで知られていますが、その中に印象的な一節があります。いわく、
「(人は)自分の憎むものが否定されるのを想像するとき、人は喜びを感じる。だが、人は、自分の憎んでいるものが破壊されたり否定されたりすることを想像するとき、心から喜ぶことはできない。われわれの憎むものが否定されたり、他のわざわいを被ったりするのを想像して生じる喜びは、必ず心の悲しみを伴っている」
と。
サードはホームインしていくランナーを果たして憎みはすれど、否定することはできないだろう。なぜなら、それは自分自身の立場をも否定することになるから。
スピノザにとって神が「信じる」対象ではなく、「理解する」ものであったように、今週のあなたも自分や自分のまわりの人間の悲しさをよくよく理解していくといいでしょう。
今週のキーワード
わたしは理解する