おうし座
凶器か薬か
三好潤子の場合
今週のおうし座は、「業病に背中を向けて足袋を穿(は)く」という三好潤子の句のごとし。あるいは、心の中に広がる暗黒を、「歌」を歌っていくことで、清め、変貌させていくような星回り。
なぜ抱え込んでしまったのか人に上手く説明できず、自分でもいまだ納得できないような厄介なものを、句の作者は「業病」と言っている。それは逃れようとしても逃れられない病気のようなもの。
ただそれはそれとして、寒くなったので足袋をはく。しばし業病を脇において、足袋をはく。 足袋をはくのは生きることだ。業病を抱えつつも、それを切り抜けて、生きようとしている。きっと作者は、そうして業病と自分との関係を言葉で紡ぎながら、自分のこころの痛手をそっと癒していたのに違いない。
言葉はナイフのように人の心に突き刺さる凶器になることもできるし、「薬」にもなる。そんなことをわが身で実感していくことは、今のあなたにも必要なのだと感じます。
3つの「かける」
思い返してみると、同じようにキツいジョークを飛ばしていても不思議と嫌われない人とそうでない人がいます。これはなぜなのでしょうか。
人はどんな言い方であっても、自分の存在をきちんと認めてくれる人には心を許します。『毒蝮流! ことばで介護』の著者・毒蝮三太夫さんの言葉を借りると、それには3つの「かける」が大切で、「笑って話しかける、肩に手をかける、気にかける」ことだそうです。
おそらく、「こころとからだとことば」、この3つが揃ってあいてに向かっていったとき、当の言葉は毒ではなく薬になっていくのでしょう。
今週のあなたは、相手の心への踏みこみ方を実地で学ぼうとしているのかもしれませんね。
今週のキーワード
習うより慣れろ