おうし座
根元的ないのちの相
独りでご飯を食べるなかれ
今週のおうし座は、「今日の味どう?」と声をかける家人のごとし。あるいは、何の変哲もないところに遊びや引っ掛かりを発見していくような星回り。
太陽に続いて月もおうし座へ入って天王星を通過した上で、5月5日におうし座の新月を迎えていく今週のおうし座は、さまざまな実感が去来して時間の流れが遅く感じられたり、まるで止まってしまったように感じる人もいるかも知れません。
ただし、天王星は何でもかんでも古い在り方に反発して、新しいやり方を押し通そうとするのですが、「新しいものがある」という発想自体、近代の幻想なのであって、もしあなたの中にまだ新しいものを鼻息荒く、必死になってつくっていこうとする姿勢が残っているなら、今週はそこにいったんブレーキをかけていきたいところ。
どうブレーキをかけるのかと言うと、例えば食事など毎日毎日繰り返している他人と共有できそうなことを、実際に共有してみるんです。
「今日の味どう?」と声をかけるとき、自然とその相手への想像力が働いていくものですし、そういう共通の型があって初めて例えばおいしさだけではなくまずさのような‟ずれ”を楽しむこともできる。また、独りで食べている時には削ぎ落し、捨ててしまうような‟無駄”の中にある豊かさのようなものが分かってくる。
いずれせよ、天王星などのアウタープラネットが強烈にきいてくる時というのは、根元的なことを思い出していきやすいもの。今週はできればそれを気持ちよく思い出していきたいものです。
熟慮と求愛
別の見方からすれば、「何を恥と思うか」ということなのだと思います。
例えば、道で転ぶことか、道を知らぬことか。前者を恥だと思っている限り、何かを熟慮するにしても、誰かへ求愛するにしても、てんでバラバラの方を向いてしまって、成果に結びつくことなく虚しく時が過ぎていくでしょう。これまでそういう人をたくさん見てきました。
どれだけ右往左往しようと、鼻息あらく挙動不審に見えようと、行くべき道を嗅ぎ分け、確かな感触でその手ごたえを感じ、手足を伸び広げ全身でその幸運を享受しようとしたならば、おそらく奇異に映るでしょうし、周囲から浮いてしまうでしょう。
でもそれは、生きものとしては何も間違っていない、本来あるべき姿なのだと言えます。人間だけが動物的に懸命に生きんとすることを‟恥”だと勘違いして、思考にとらわれ、死んだような目をしながら自らの生命力を殺していくのです。
今週は、生きもの本来の姿に立ち返りつつ、熟慮することと求愛することを真摯に追求していきましょう。
今週のキーワード
気持ちよいかどうか