おうし座
自然との二人三脚ということ
初めに受け取めるべきもの
今週のおうし座は、四谷三丁目という街のごとし。あるいは、生と死をつなぐ「境界地帯」として、おのれを展開していくような星回り。
新宿からほど近い四谷三丁目は、異様なほど坂道の多い街で、その坂の途中や崖沿いはたくさんのお墓で覆い尽くされています。
中沢新一が指摘しているように、墓地の周りには日本の街の常として必ず花町ができるそうで、当然そうした花町の周囲には小洒落た飲食店街ができていき、結果としてその一帯が繁華街となってきたという歴史があるのだそうです。
四谷三丁目あたりの崖には、すでに古墳時代には横穴墳墓が作られていたそう。
そうして死者の念が幾重に積み重ねられてきた場所に、食と性という人間の二大欲求を満たすための機能が町として築かれてきたという意味で、四谷三丁目のような町が、いかに野性味にあふれた場所かということが分かるでしょう。
人は土地が放射する力を受けて、それにふさわしい街を作るものなのかもしれません。
今のあなたもまた、自分なりの「街」や経済圏を作っていく最中にあるかと思いますが、自分がいったいどんな土地や死者の念を受けとって生きているのかということについて、今週は改めて考えてみるといいでしょう。
自然とともに歩む
大地と海とで受け取るものは違いますが、以前も取り上げた『ガイアシンフォニー第四番』というドキュメンタリー映画でも紹介された“レジェンド・サーファー”ことジェリー・ロペスもまた、自然の力とともに自分を展開していく達人のひとりと言えるでしょう。
「私はいつも、海の力の一部になりたいって願っています。大自然の力は決して抵抗できるものではない。 唯一の許される道は共に歩むことです。 対抗しようとすれば必ず結果は悲惨なことになる。共に歩む…そうすればどこかに道が開ける。 」
「ダンスを踊るときのように波の力の良いパートナーになるんです。サーフボードはダンスパートナー、波は音楽、その音楽に乗って共に踊る、それが私の実感です。」
「サーフィンが教えてくれるのはハーモニー、 特に自分自身とのハーモニーです。最初は、海や波などの自然と調和することを学びます。それが出来たとき、次のステップはその調和の精神を日常生活に持ち帰ることです。」
今週のあなたもまた、彼のようにできるだけ自然の力との調和を心がけながら、静かに、しかし力強く、自分のこれからについて考えを展開してみるといいでしょう。
今週のキーワード
土地とのハーモニー、死者とのハーモニー