おうし座
豊かに老いてゆくために
若きを兆す
今週のおうし座は、「老いてゆく体操にして息白し」(五味靖)という句のごとし。あるいは、余計な力を抜いていけば、自然とユーモアが現れてくるさ。そんな星回り。
吐く息の白さと量の多さに、不意に自分の「老い」を実感させられた。一面的にはそんな解釈が成り立ちそうですが、掲句にはなんとなくそれだけでは収まらない「おかしみ」があるように思います。
「老いてゆく」ことをどこかはしゃいでいるような、童心のようなものがうっすら立ち上ってくるようでもあり、だからこそ体操は続けられ、白い息を吐き出して、ますますそんな自分が可笑しくなってくる。
そんなサイクルがここでは始まっているのではないか。
人は誰しも必ず老いてゆくものですが、ではこの「老いてゆく」とは一体どういうことなのか? ということは、今週のあなたのテーマにも通じてくるように思います。
死んだら一巻の終わりであり、老いとはタイムリミットの警報音であるというある種の「イデオロギー」をいったん脇において、老いとは若きを兆すものであり、もっと言えば子供に帰っていくことでもある。
21日(月)にしし座で月蝕を迎えていく今週は、それくらい思い切ってみてもまだ足りないくらいでしょう。
自分を白紙に戻す
新しいことを始める人は、何歳だって新人です。プライドや経験が邪魔をして挑戦をやめていないか、あるいは何かに挑戦している人を馬鹿にしていないか、いま改めて自分に問うてみてください。
どんな時でも「一介の新人」に戻れる人には、失敗を笑いに変えれる強さ(ユーモア)が自然と備わっていきますし、それだけでなく、同時に失敗できるうちに失敗していけるだけの弱さ(ペーソス)をも湛えていくことができます。
きっと、豊かに老いてゆくとは、そうやって自分を白紙に戻していくことにあるのではないでしょうか。
もちろんそうするのにはそれなりの勇気が必要ですが、今のあなたならそれができるはず。21日(月)の月食前後の今週は、そのための絶好の機会となっていくでしょう。
今週のキーワード
内なる子供への気付きと出会い