おうし座
垂直におのれを立てる
対比と構図
今週のおうし座は、「つきぬけて天上の紺曼珠沙華」(山口誓子)という句のごとし。あるいは、自分自身を神に見立てていくような星回り。
この句を詠んだ当時、作者は数年前に病いを得て陥った死地に再び舞い戻り、療養しながら句作を続けていたらしく、「病めるわれ」や「病者」という言葉が句に並び、鬱々とした日々を送るなかで感覚を研ぎ澄ませていきました。
そんな中から生まれてきたのが掲句であり、これは病に臥せ下から見上げるようなアングルから、空の青が紺色まで深まった天上と曼珠沙華の赤がそそり立つ大地の対比、あるいは死の青と血の赤の対比を詠んでいるものと考えられます。
そして、こうして捉えられた曼珠沙華の姿は、まさに今週のおうし座にとっておのれに重ねていくにはもってこいのモチーフであるはずです。
普段、上から見下ろしていた時には気付かなかった曼珠沙華の凄味、本能の力強さが、死を間近に感じた作者の中で改めて鮮やかに刻印されていったように、あなたもまた自分の中から萌え出てくる炎を存分に感じきっていくといいでしょう。
これからを占う
あるいは、しばらくの間あなたの中で停止していたものが、今にわかに再起動しつつあるのだとも言えます。
それに当たって、あなたは自分を再起動させていくための最適な場所、最適なアングルを見つけていこうとしているのでしょう。
同じ行為をしたとしても、ところ変わればまったくの別物になってしまうように、今週のあなたは、どんな場所、どんな視野から力を借りていくかによって、これからどんな自分になっていくのかを占おうとしているのです。
ただし、これはただそれなりのお金をかければいいというものではありません。
いい場所とわるい場所、いいアングルとわるいアングルというのは、資本主義社会の引いた物差しとは無関係に、絶妙に混在していたりするから。
山口誓子がそうしたように、あなたなりの感性と身体性を頼りに、自分らしい場所、自分らしいアングルを選び取っていきましょう。
今週のキーワード
赤と青の対比