おうし座
軽やかに、真剣に
ゴルディアスの結び目
今週のおうし座は、さながら「ゴルディアスの結び目」を一刀両断したアレクサンダー大王のごとし。
伝説によれば、その昔、古代トルコの都で権力闘争のため世継ぎがいなくなり、神託によって貧農ゴルディアスが王として迎えられたとき、荷車の前に突き出た二本の長柄(ながえ)を、丈夫な紐でそれまで誰も見たことがないほどにしっかりと柱に結びつけ、「この結び目を解くことができたものこそ、このアジアの王になるであろう」と予言したという。多くの者が挑戦したが、誰にも解かれることがないまま数百年の時がたったとき、日の出の勢いで勢力圏を東に広げんとしていたマケドニア王アレクサンダーがこれに挑戦した。やはり解くことが難しいと見るや、大王は剣を抜いてあっという間に結び目を一刀両断し、人々を驚かせる。その後、遠征先で次々と勝利し、予言通り彼はアジアの王となった。
「ゴルディアスの結び目」はしばしば解きほぐせない難題のメタファーとして用いられますが、今週は過去の人間関係のもつれや人生を縛る因縁へ、大胆にメスを入れていくことができそうな星回りです。ただし、それが力まかせの乱暴なアプローチとなるか、ごまかしや心の迷いを切り捨てる“真実”の剣の一振りとなるかはあなた次第。
戦士であるということ
しかし、これまで解決の糸口さえ見つけることのできなかった問題を、一刀両断するなどということが、果たして本当にありえるのでしょうか?
この問いに対し、大半の者はNOと言い、ある者はYESと言う。後者を「戦士」と呼ぶことにしましょう。アレクサンダー大王がまさにそうであったように、戦士は自分がただの人間に過ぎないことをよく知っています。
神のようなマネはできない。人生は短すぎて、欲しいものを全て手にすることもできない。
だからこそ、心から欲するものはその手でつかみとる。そのためには手段も選ばない。並みの人間は、自らへの自信を傍観者の目の中に探そうとするが、戦士はむしろ自らの目のうちに留まることで自信を培う。
人が戦士であるためには、軽やかで、かつ真剣でなければならないのです。
今週のキーワード
ゴルディアスの結び目、アレクサンダー大王による一刀両断、戦士であること、謙虚さと深い自信