おうし座
ばかものの矜持
「自分の感受性くらい」
今週のおうし座は、自分の感受性を守るのに必死になれた「ばかもの」のごとし。あるいは、自分の在り方を世間一般の常識に寄せていく代わりに、こっちから世間一般など願い下げだと啖呵を切っていくような星回り。
茨木のり子さんの書いた詩に「自分の感受性くらい」というものがあり、それは次の3行から始まります。
「ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて」
この後、同様の形式の三行のまとまりが4回続いた後、
「自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ」
で締められているのですが。まさに今週のあなたにぴったりのメッセージと言えるのではないでしょうか。
「普通は」とか、もうそういう言葉で感受性を自分で枯らしていくのはやめにしませんか。今週は、慣習化した思考や惰性的なルーティンに別れを告げられるかどうかを試されているのだと思ってください。
若者から「ばかもの」へ
こんな「ばかもの」に自分を重ねるようになってきたら、それはもう「若者」ではないということなのかもしれない。
それは年齢の話ではなくて、自分の身に起きている現実を、時代や生活のせいにし始めたなら、哀れむべき存在になってしまったという意味で、本質的にもう若くはないのだと思います。
別に、若さこそが価値で、それを取り戻そうと言おうとしている訳ではありません。どうしたって、私たちは若者の代わりに「ばかもの」になっていく定めなのだから、潔くそれを認めた上で、自分の感受性を守るのに必死になっていこうよ、と。それだけの話。
難しいけれど、やるしかない。そう生きるしかない。そういう形でしか、人は必死になれないのですから。
今週のキーワード
存在の哀れ