さそり座
一周まわった原点回帰
身を固めるだけが
今週のさそり座は、「ぐにやぐにやぞ昼寝の子ども抱きたれば」(火箱ひろ)という句のごとし。あるいは、目の前で起こった事態に思わず笑ってしまうような星回り。
姿勢をびしっと保つことができるかどうかは、大人として身を固めていくことと通じている。だからこそ学校教育で、気を付けや礼を繰り返す教育が施されてきた訳ですが、昼寝中の子どもはそんなことは一切お構いなしだろう。
作者の「ぐにやぐにやぞ」は、どこか笑いを誘うユーモアが強調されているが、句を締める最後の「抱きたれば」には配慮の行き届いた気遣いがそっと含まれている。
だからだろうか。掲句からは「身を固めるばかりが生き方ではないのだよ」と、説教臭くならないギリギリのところで示唆してくれているようにも感じられる。
まあ、いきなりバカになれだの、身をゆるめようなどとは言いません。けれど、意外と人生には、とおりっぺんの生き方や身の固め方だけが正解ではないんだよ、という示唆に満ちていたりするものだ。
今週は、そういう示唆を受けとったら、腹を開いて笑ってしまった方がラクということを頭の隅に置きつつ過ごしていくといいでしょう。
「進化」などやめてしまおう
ダーウィンの進化論によれば、われわれは単純なものからだんだん複雑で多様な生命が現れてきたことになっている。
ともすれば私たちも、レゴで遊ぶ時のようにまず単純な部品を幾つか作ってから、それらを組み合わせて順次複雑で大きな造形物を設計していく。進化といえば、つい複雑化の方向性で考えてしまうことに慣れています。
ですが、はたして進化というのは本当にそうした方向性にのみ起こるものなのだろうか? というのが今週の焦点とも言えるでしょう。
より素朴に、自然なものへ簡素化していくような方向での進化もあるのではないか。あるいは、もはや進化などやめてしまうような原点回帰が、結果的に自分たちが心から必要としているそのものだった、ということもあるはずです。
仕事の姿勢においても、異性との関わりにおいても、決して子供騙しではない生き方にたどり着いていく。そういうことは大いにありえるでしょう。
今週のキーワード
子供は無意味な複雑さに騙されない