さそり座
私を歌い続ける
われの紋章
今週のさそり座は、「わがうたにわれの紋章のいまだあらずたそがれのごとかなしみきたる」（葛原妙子）という歌のごとし。あるいは、自分が自分である証しを、どこかに刻んでいくような星回り。
これまでいくつかの歌を詠んできたが、いまだ私の歌といえる歌はない。句意としてはそんなところだろうか。心中に思い描かれた「われの紋章」が華麗かつ悲しげに佇んでいる。
さそり座の人たちというのは、自分自身に何かを深く刻んでいこうとすると同時に、その刻み具合を確認するためにも、丁寧に自分の生きた証しをどこかに刻んでいこうとするのだろうと思います。
今のあなたもまた、作者と同じような心境を迎えているかもしれませんね。作者はきっと、こう詠みつつも、また自分なりの歌を作り続けていくことでしょう。
一方で、あなたは？
今週は「いまだあらず」の悲しみをひきずりつつも、それでも一歩でも前に足を出し、一振りでも手を動かしていくことができるかどうかを問われていくでしょう。
祖霊を宿す
歌い続けるという意味でひとつ思い出されるのが、アフリカ大陸から1000キロ以上離れたインド洋の美しい海に浮かぶセーシェル諸島。ここには、ヘビやキツネ、猛禽類など鳥の天敵となる生物がいないのだそうです。
そのため、島々には鳥たちが溢れており、天敵がいないおかげか、1日中おしゃべりをやめないのだとか。
古来より、空をとぶ鳥は霊魂ないし“祖先の霊”の象徴であり、太陽信仰や稲作儀礼などとも関連が深いと言われてきました。
今週のあなたもちょうどラジオのチューニングを合わせるように、そうした祖霊の声を聞いていくことで、いま紡ぐべき言葉や行動すべき一挙手一投足を取り戻していくことができるかもしれません。
まずは、なんとなく思い出したことや、夜に見た夢、ふとした拍子に目に耳に飛び込んできた言葉などを大切に受け止めていくことから始めていきましょう。
今週のキーワード
祖霊の声
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