さそり座
日溜まりロッジ
ビーバーは自然界随一の建築家
今週のさそり座は、川や湖にダムや巣をつくるビーバーのごとし。あるいは、初めに抱いた本能的直感を信頼し、その上で安心して座すことができるまで根気強く練り上げていくような星回り。
ビーバーは「自分の生活のために周囲の環境を作り替える、ヒト以外の唯一の動物」であるとも言われており、本能的に誰に教わらなくても自然にロッジ作りを始めるのだと言います。
ただし、彼らは一人だとひどくのろまで危なっかしいのですが、これがペアになってくると途端に賢くなり、自然界でも随一の優秀な建築家となっていきます。
彼らが水中につくるロッジの美しさは、彼らの不器用さと同じくらい確かな事実なのですが、これは一体どういうことなのでしょう?
「一人だと人間だが、二人になると人々になり、それ以上になると愚かな動物になる」
とはロゼッカーの言葉ですが、ビーバーはそんな人間とは逆に、二匹となり、それ以上になると、人間以上に素晴らしい動物になっていく。じつは、これはさそり座の性質にも通底してくるのです。
誰でもいい訳では決してない。その理由もうまく説明できない。だからグズグズしている時もあるけれど、いったん「これだ!」という相手や対象を見つけることができた時、さそり座の人というのはまるきり人が変わる。そして、変わることの中でのみ、本当の安心を得ていくことができる、という不思議な性質を持っている。
今週は、そんな自分の中の本能の部分をより意識させられる週となっていくことと思います。
集めた叡智を増大させること
ビーバーの生態に関する不思議は、次のようにも言い換えられます。
「冬の間は誰かと社会生活を営むビーバーたちは、なぜ夏の間ひとりで暮らさねばならないのか?」
その問いを明かす鍵となるのが、太陽です。ビーバーは夏の間、自分自身のために日の光と暖かさを集めているのです。
ルドルフ・シュタイナーは「日光の暖かさとともに、宇宙の叡智が太陽を通して地球に注ぎ込まれている」と言っていますが、ビーバーはそれを集めることで叡智を持ち、結果的に建築家となっていく。
これは、犬にとってしっぽが喜びの器官であるように、ビーバーにとってしっぽが叡智をため込むための「魂の器官」で、ビーバー村の共同頭脳となるのだという考えのようです。
確かに生き物の中にある賢明さは集めることによって増大しますから、叡智をためこんだビーバーがさらに数百集まることによって、ロッジの建設という形に結晶化させていく理屈は、どこかで納得させられるものがあります。
あなたはこれまでの孤独な日々の中で、どれだけの日溜まりを魂に集めてきたのでしょうか? ひとつビーバーになったつもりで感じ、その感じのままに動いてみて下さい。
今週のキーワード
魂の器官