さそり座
シンアイを深める
「信」で受け取る
今週のさそり座は、一遍上人の説いた「任運」という言葉のごとし。あるいは、自身を深いところから清めていこうとするような星回り。
天災や飢饉、疫病などで多くの死者が出ていた鎌倉時代の一遍上人はその語録のなかで、次のように述べています。
信というのは任せると読む。自分のはからいをせず何事も他の人の心に任せるというので、人べんに言(ことば)と書くのである。わたしたちは仏法にすべてを任せてゆかねばならぬ。そういうわけだから、衣食住の三つのことなども、自分からすすんでああしたいといか、こうあれとか求めてはならない。何事も天運天命にお任せすべきである。
そして一遍自身もまた、師である空也上人の言葉に身も心も委ねて次のように説くのです。
空也上人も、身・口・意の三つの行為を天運に任せ、行・住・坐・臥の四つの作法なども、さとりの智慧に任せて生きてゆくのである、と説かれた。こういうことがとりもなおさず、他力になりきった生活態度なのである。
そう「生活」のなかでこそ、この「信」ということは体得できるし、融通無碍の自由にして自在な自分を作りあげることができると考え、徹底的に実践していったのです。
9月22日のさそり座から「帰依」を意味する12番目のてんびん座へと太陽が移っていく今週のあなたもまた、乱れた心をいかに清浄にしていけるかということが「信」の問題として改めて問われていくでしょう。
「アイ」の投げかけ
この世界へ愛を投げかけていくとき、それが哀や曖(日が陰って暗いこと)でないか、その「血色」をよく確かめていかなければなりません。大人の優しさというのは、つねに相手の自我ではなく、魂をこそ対象にしているからです。
そんなものどうやって投げるのかって?
愛を投げるには、ただ真実を、宇宙を動かしている軸を知ればいい。たとえば暦や詩というのはそのために作られ、また編まれてきたものです。
それを踏まえずに与えられる一時的な慰めこそ、魂に対する最たる侮辱(逆効果)であるということを既にあなたは身をもってよく知っているはず。
その意味では、今週は普段から自分が何を世界に投げかけているのか、またどこを対象にしているのか、いまいちど確かめていくのにはもってこいのタイミングと言えるでしょう。
今週のキーワード
魂を対象にすること