さそり座
十字路とメディア
道をひらく
今週のさそり座は、十字路になりなさい(Be a crossroad)。あるいは、コミニュケーションの新しい回路を確立していくこと。
コミニュケーション、それはさそり座にとってただ横文字の軽やかさで流していくものではなく、それがあるかないかで自分という存在が変わってしまうようなや生命線と言ってもいい、決定的な意味を持ちます。
ただ、だからこそ簡単には成立しないし、本当に成立するのかさえ分からない。何十回、何百回とのせてなぞっていくことで、ようやく小さな声やひっかかりのようなものを感じて、そこから詩が始まっていくように。
「きみが境界線を生きるとき 人々はきみの中を通過していく 風がきみの声を奪う きみは雌ロバ 去勢牛 犠牲の山羊(スケープゴート)
新しい人種を告げる者 半分と半分―女であり男でありいずれでもない― 新しい性 …… ボーダーラインで生きのびるためには きみは境界なく生きなくてはならない 十字路になりなさい」 (グロリア・アンサルドゥーア、『ボーダーランズ/ラ・フロンテーラ』)
人麻呂の歌
また柿本人麻呂は、十字路について次のような歌を遺しています。
「言霊の 八十の巷(やそのちまた)に 夕占(ゆうけ)問ふ 占正(うらまさ)に告(の)る 妹(いも)はあひ寄らむ」
夕闇がせまり、人々の顔がわからなくなってきたたそがれ(誰そ彼)時に、混雑した雑踏でにぎわう踊り場に出かけて行って、おのれの身体を一種の神にするべく、心を無にして通りすがる人の言葉に耳をすませる。
そこで最初に耳に入ってきた言葉=言霊によって、自分がどういう行方なのかを占ったのです。
かつての日本人は現代人よりずっと直接的に、自分を十字路にする術を肌で知っていたのでしょうね。今週のあなたも、そんな試みをしてみるのもいいかもしれません。
今週のキーワード
夕占