さそり座
未知へ通じる道を開く
縦軸と横軸の交わり
今週のさそり座は、鶴崎燃の『海を渡って』という写真集のよう。すなわち、現在地点とは異なる地点へと自分を結び付けていこうとするような星回り。
この写真集のテーマは、ずばり「移民に世界はどう見えているのか」。
日本と満州、ミャンマーと日本など、故郷から異郷へと渡ってきた人々の「かつていた場所」と「今いる場所」を対置させていくことで、隔てられたふたつの場所、ふたつの時間を結びつける目に見えない“糸”の存在を読者にまざまざと感じさせていきます。
人は皆、縦軸=歴史と未来をつないでいく時間の流れと、横軸=同じ時代を生きる人々によって共有されている空間の広がりが交差する地点に生きていますが、こうした作品を見ていると、地球上でほんの少し座標のずれた地点に生を受けただけで、「これは自分の人生だったかも知れない」という不思議な感慨を少なからず覚えていくはずです。
生ある限り彼らと同じように、同じ時間の流れの中で自分固有の物語を紡ぎ続けていくのです。
13日(月)から14日(火)にかけて、さそり座から数えて「サバイバル」を意味する3番目のやぎ座で太陽と土星と冥王星が正確に邂逅していく今週のあなたもまた、まだ自分が知らない未知の地点へと“糸=意図”を通し、結び付けることで、新たな人生物語の展開をもたらしていくことが大きなテーマとなっていくでしょう。
動脈の出会いと静脈の出会い
よく、出会いには動脈に乗ってくる出会いと、静脈に乗ってくる出会いのふたつがあります、という言い方をするのですが、これは今週のさそり座のあなたにとっても重要なイメージであるように思います。
前者は、周囲の見つけやすいところにいる相手に意図的にぶつかっていくことで作り出されるもの。後者は、間接的なつながりの先にいる相手と、不意に何らかのフィードバックを受けとっていく中で作り出されていくもの。
今のあなたは、後者の出会いと縁へと開かれていきやすいはず。落ち着いて、力を抜いて、静脈的な出会いや関係性、そしてその先にある未知の未来が開けていくプロセスを楽しんでいきましょう。
今週のキーワード
スモール・ワールド現象