さそり座
捨て身であるということ
「弱さ」の極点
今週のさそり座は、徹底的にネガティブに浸りきっていくような星回り。あるいは、「弱さ」を突き詰めることで、かえって周囲にポジティブな影響力を与えていくこと。
不幸とかネガティブなことがあると、私たちは力を失ってしまいます。
しかしそれがある極点を超えるところまでいくと、どうもかえって別の力を得ていくということがあるのです。それが今週のあなたが身を貫いて体感していくべきテーマと言えるでしょう。
これは例えば、介護や医療の現場などで、病人や弱者とされている人達が、かえって周囲の人を元気づけ、時に大きな変容をもたらしていく光景などを見たことがある人であれば、比較的想像しやすいはずです。
病気の子供を看病する親は、「自分が支えなければこの子は死んでしまう」という思いにさらされることで、「自分にしかできないことがあった」という気付きを得ていくのです。
そういう自分のかけがえのなさみたいなものを教わることがあるとすれば、それは不意に誰かの弱さやはかなさに心打たれてしまった時に他ならないのです。
今週のあなたもまた、自分は死んでしまうかもしれないし、現に死につつあるということを、もっと真剣に感じていくといいでしょう。
常住死身
人は本来、狩られるべき獣に殺され、喰われることだってありうる立場の存在です。
本当の意味で海や山と共に生きてきた人は、そのことをよく分かった上で、わが身をときに自然に贈与することと引き換えに、獲物を得ている。ひるがえって、私たちはどうか。
大いなる自然の食物連鎖など知らぬ存ぜぬと言わんばかりに、金銭をもって獣や魚の肉を買い、安全な場所で食らう。
もちろんそれは町場にいれば当然のことではあるのだけれど、自然の循環から遠く離れたところで、家畜の成れの果てを吸収し続けていれば、自身もまた命の枯れた死に体に近づいていくのも自然な成り行きではないか。
ある狩人は、「忍び撃ちは卑怯だ」と語ったという。数百メートルも離れたところから、ライフル銃で熊を撃つことを指して、ぽつりとそう言ったのである。
彼らの中には、賭けにも似た、捨て身の贈与を介して初めて成り立ついのちの思想が息づいているのでしょう。
今週のあなたのテーマは、自分が捨て身で居られるフィールドを見出していくこと。そこにこそ、今後歩んでいくべき道が広がっているように思います。
今週のキーワード
捨て身と贈与