さそり座
発電所の懐事情
空焚きは禁物
今週の蠍座は、「うおォン まるで人間火力発電所」だ。「発電」は経済的な場合と、感情的な場合のいずれか、ないし相互に関連しあった形で行われていきそうです。あなたはいま、純粋に自分の楽しみのためにエネルギーを燃やしていますか、それとも必要に乞われて、あるいは誰かに頼まれてエネルギーを燃やしているでしょうか。いずれにせよ、あなたの中でエネルギーが作られ、供給されていくことで、関わる人々(ないし自分)の部屋には明かりが灯り、熱が通い、身も心も温まっているのだという実感を得ていきやすい時でしょう。ただし、人はリソースなくしては決して動き続けることはできません。必要なとき、足りないと感じたときには、遠慮なく、周囲の人間に金銭的・感情的援助を申し出ること。それこそが今週のいちばん大切な課題なのです。
「きちんとしたメシを食え」
そうした周囲の人間への申し出に対する快い賛同を求める気持ちも強くなる一方で、「拒否されたら…」という不安が首をもたげてくると、すこしナイーブになってしまうかもしれませんね。
その場合は、まず物理的な必要から満たしてあげるよう心がけてください。単刀直入に言えば、「不安定な時ほどきちんとしたメシを食え」です。
日本社会にはどうも「清貧」をよしとして逆境において忍耐を要求するところがあるのですが、ベンジャミン・フランクリンが「空の袋は立ちにくい」という諺にひっかけて「貧乏な人間ほど常に正直に暮らすのは難しい」という言葉を残していたように、健全な食生活は健全な経済的・感情的な関係づくりの基本であり、決して疎かにしてはいけない大黒柱のようなもの。
『孤独のグルメ』の井之頭五郎(いのがしらごろう)の食べ姿を思い出すべし。
今週のキーワード
俺は人間火力発電所、躊躇なく人に援助を申し出ること、健全な食事は健全な生活の基本、清貧より小さな贅沢、久住昌之・谷口ジロー『孤独のグルメ』