いて座
揺らがずに何かを作り続けること
それでは世界は変わらない
今週のいて座は、かっこつけて死んだソクラテスより地味なプラトンを大事にすること。あるいは、インディペンデントを増やすための仕組みづくりに与していこうとするような星回り。
大人になって改めて『ソクラテスの弁明』を読むと痛感するんですが、ソクラテスってのはめちゃくちゃ“ええかっこしい”なんですよね。全然いいから!全然死ぬんで!みたいな。若い頃は、「うわぁ、死んで伝説になったソクラテスかっこいい…」って思ってた訳ですが、よくよく見直してみると、別に死ななくてもすんだところを、挑発的なことばかり言ってみずから死ににいった、イキった老人なんです。
これは今のネット社会に置き換えれば、それこそ大炎上ものの事件でしょうから、例えば「#ソクラテスを救え」なんてハッシュタグがついたツイートや投稿が次々に流れて、100万人くらいに見られるかも知れません。でも、翌日か翌週あたりには忘れられてしまうのであれば、現実は何も変わらないし、あまり意味がないと言わざるを得ないのではないでしょうか。
それこそ弟子だった20代のプラトンからすれば、せっかく尊敬して、哲学の道に行こうと思っていたのに、さっさと自分だけカッコつけて死んじゃうんですか?みたいな戸惑いがあったはずです。プラトンが偉かったのは、それでおしまいにしてしまうんじゃなくて、ソクラテスが殺されないような世界を作らなきゃってことで、そこから戦略を変えて頑張り続けたことでしょう。著書を残さなかった師匠のエッセンスを本に書き起こして後世に伝えたり、後進育成のためにアカデメイアのような学校を作ったり、これは単なる思いつきでできることではなかったはずです。
同様に、9月10日にいて座から数えて「土台づくり」を意味する4番目のうお座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、かっこつける美学ではなく、かっこ悪くても地味にやるってことをどこまで意識的に選んでいけるかということが問われていくでしょう。
漁師の仕事のリズム
漁師の仕事は体力的にキツいものですが、中でももずくの養殖は最もキツい部類に入るそうで、朝7時には海に飛び込んで、長い時はお昼休みも取らずに、夕方の4時、5時まで一度も船に上がらないこともあるのだとか。
とはいえ、自然が相手の仕事ですから、つねにそういうスケジュールということはなくて、集中的に仕事をする時と、「風が吹いてるな」とか「時化てるからあぶない」と判断した時は、ゆっくりできるという意味ではメリハリがありますし、夫婦ふたりの時間だったり、やりたいことについて考えたり話したり動いたりする時間があるという点ではとても恵まれているのだとも言えます。
そういうリズムで仕事をしていると、自然と資源を「獲る」のではなくて、「増やす」ことに意識が向いて、海岸をなるべく自然の状態に維持するべく、サンゴを植えたり、子どもたちに関心を持ってもらう体験学習の催しを企画したり、NPOを立ち上げたりといった活動にも繋がっていく。そこでは、どんな風に見られたいから〇〇をやるというのではなくて、純粋にやりたいからやっているというところから仕事が回っていく訳です。
今週のいて座もまた、みずからの仕事を通して、どんな思いを増やしていきたいのかを、改めて考え、動いていくべし。
いて座の今週のキーワード
ネットで批判しているだけじゃ世の中は何も変わらない