いて座
堅苦しいものは燃やしちゃえ
ミッションをロックンロールだ!
今週のいて座は、映画『スクール・オブ・ロック』の主人公ジャック・ブラックのセリフのごとし。あるいは、恥ずかしくも真剣な衝動があるなら、それに堂々と身を任せていこうとするような星回り。
みずから立ち上げたバンドをクビにされた時代遅れの熱血ロックンローラーであるジャックは、ひょんなことから名門私立小学校の臨時教員になりすまします。そのうち、親や学校から抑えつけられた規範のなかで窮屈そうに自分をもてあましていた生徒たちをたきつけ、生徒たちも次第に自分が変わっていくことを実感。そしてバンドバトル出場を目指して猛練習を始めていく―。
とまあ、あらすじはそんなところなのですが、これはある意味で働く大人たちへの風刺にもなっているように思います。例えば、職場や自身のキャリアの文脈で「ミッション」なんて言葉を使おうものなら、すぐに「ソーシャルグッド」なんて言葉が出てきて、どうしたって立派で大人びたものでなくてはならないような気がしてくるはず。
そんな時に、先のジャックが生徒たちに対して「ひとつのライヴが世界を変える。それがロックンロールのミッションだ!」と息巻くシーンを思い出すとき、そうか、バンドというものが表現であると同時に事業であるならば、個人のミッションだってもっとロックンロールでいいはずだと思えてくるのです。
だいたい、必死になって見つけ出した「課題」の「解決」なんて、やるだけつまらないでしょう。
8日にいて座から数えて「ミッション」を意味する10番目のおとめ座で下弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、もっと肩の力を抜いて自身のミッションというものを捉えなおしていくことがテーマなのだと言えます。
子どもの脆弱性と可能性
例えば、現代社会では「子ども」というのは不安定で、信頼するに足らず、何をしでかすか分からない監視の対象であり、また「子ども騙し」に引っかかる大人は軽蔑されてしかるべきだということになっています。
しかし、一方で「子ども」というのは大人と違って脆くて壊れやすいにも関わらず、その本質的な脆弱性ゆえに仮に外部から何らかの圧力や破損をうけることがあっても、それでなかなか壊滅しきらないだけの内的充実があり、むしろそれ自体のなかに、まるで異質な振動体のような、あるいは語る言葉がそのまま哲学となり得るような、「火つけ役」としてのポテンシャルを大いに秘めているのだとも言えるのではないでしょうか。
火をつけ、波は広がり、硬直化した何かがほどけていく。そこには間違いなく、ひとつの哲学、ひとつの思想が生まれるときの「振動ないし躍動」の萌芽があります。
今週はぜひとも、そんな「子ども」をみずからの精神に宿し、「子ども」になりきって過ごされることをオススメします。
今週のキーワード
虚心坦懐