いて座
後ろ向きに跳躍せよ
幼形回帰
今週のいて座は、「跳ぶために退く」というフランスの格言のごとし。あるいは、ふっとおさなごころに立ち返っていくような星回り。
人間の社会は長いあいだ、男と女と子どもという3つのグループに分けられてきた訳ですが、そこではしばしばどこにも割る振ることのできない衝動や心理が子どものカテゴリーへと無言で押しつけられてきたという現実があるのではないでしょうか。
そこには慈悲と残酷、無邪気と悪意といった両義性が微妙にゆらぎつつも両立しており、葛藤している情報ネットワークの総体としての、赤裸々な人間本性が海の如くたゆたっては、時おり大人として存在していることに困難を感じた者を誘うのです。
その意味で、われわれの存在ははじめからネオテニー(幼形成熟)を伴っているのであり、「幼熟者」こそが人間の代名詞なのだとも言えるでしょう。
そして15日にいて座のひとつ手前の星座であるさそり座で新月が形成されていく今週は、そうした幼形回帰の衝動がひときわ強くあなたの中でわいてくるはず。無理にジェンダーや社会的立場に自分をくくりつけるのではなく、いっそすべてを忘れていったんそうした衝動に身を任せてみるといいかも知れません。
自分を白紙に戻すこと
現代社会は死を遠ざけることに熱心になっていった結果、自分や他者の老いについて口にすることさえどこかタブー視するようになってしまいましたが、人は誰しも必ず老いてゆくもの。
ではこの「老いてゆく」とは一体どういうことなのか?
死んだら一巻の終わりであり、老いとはタイムリミットの警報音であるというある種の「イデオロギー」をいったん脇において、老いとは若きを兆すものであり、もっと言えばおさなごころに帰っていくことでもあるのだと考えてみてはいかがでしょうか。
新しいことを始める人は、何歳だって新人なのです。プライドや経験が邪魔をして、挑戦をやめていないか、あるいは何かに挑戦している人を馬鹿にしていないか、いま改めて自分に問うてみてください。
今週のいて座は、それくらいいつもの条件を外してみてもまだまだ物足りないくらいでしょう。
今週のキーワード
若きを兆す老い方を