いて座
颯爽への邁進
『抜け目ない未亡人』(カルロ・ゴルドーニ)
今週のいて座は、颯爽とした『抜け目ない未亡人』のごとし。すなわち生存戦略として、環境や社会からの援助に依存して安定感を取り戻していくような星回り。
中世のヴェネチアを舞台にしたこの戯曲では、財産家と結婚した後、夫と死別した若き未亡人が、再婚でもう一花咲かせようと奮闘します。
フランス、イギリス、イタリア、スペインの男達を見並べて、各国の女性たちに化けてこなをかけ、誰が一番誠実な男かを試そうとするのです。
その様はさながら、鳴かないホトトギスを前に、殺すか、待つか、鳴かせてみせるかを案じる戦国大名でもあります。つまり、とても手前勝手なことを言っている訳です。
ある意味で、初めから文句をつけるつもりでいるのであり、未亡人だけが力み返っているような滑稽さがにじみ出てもいますし、それが女としての意地を貫こうとするいじらしさと混じり合って、何とも言えない光景です。
でも不思議なのは、どこかそんな未亡人に颯爽たる勢いのようなものが感じられてくるところ。
それは、花のように大事にされる“べき”女性像をかなぐり捨てて、自分の生き残りへときっぱりと突き進んでいるからかもしれません。
今週のあなたもまた、滑稽を通り越したところにある颯爽へといたれるかということが、ひとつのテーマとなってくるでしょう。
パラノからスキゾへ
リスクにまさる利益はなし。
今週は言い換えれば、依存から分散へ。
何か特定のことにこだわってふんばる態度から、いろんなことを水に流し、自身もまた流れていくような生き方へとシフトしていけるタイミングとも言えます。
特に気合で何とかするとか、頑張れば絶対に結果につながる、なんてマンガ的精神論はすぐに捨ててしまいましょう。
あるいは、今あなたが抱えている立場を大事に感じていて、そこに安住しようとしているなら、その制度や安定をもう一度疑ってみる必要がありそうです。
脳というのは絶えず誤作動を起こしているもの。いったん対象と距離をとって、さめた目線で「現実」を分析することをお勧めします。
今週のキーワード
「婿選びの際には心で決めるのでなく、頭で決めることにいたしましょう。」