いて座
曼殊沙華はどこに咲く
記憶の光景をたどる
今週のいて座は、「ゆらゆらと回想のぼるまんじゅしゃげ」(榊原風伯)。すなわち、過去のことが思い出されていくうちに、だんだんと自分が変身していくような星回り。
この作者は、風にゆれる曼殊沙華の花を眺めるともなく眺めているうちに、だんだんと自分が揺れる花そのものになってしまった気がしたのかもしれない。
花が根から栄養を吸い上げるように、人は大地からその土地の記憶を吸い上げ、胸中の思いを混ぜていくことで、はじめて言葉にできるような「思い出」として頭にのぼらせていくことができます。
あなたは今どんな土地に立ち、何を思い、どんな映像を頭にのぼらせているのでしょうか?
今週は、自分がさながら一本の花になったつもりで、人の間で揺れていくことで、意識のデッドスペースから不意に忘れていた記憶や思いが湧いて出てくることでしょう。
押入れの点検
どんな人の中にも、長いこと色々なものが詰め込まれた「心の押し入れ」があります。
言い換えれば、あなたは今その押し入れをあけ、中のものを取り出していって、心当たりのものを確認していく必要に迫られているのだとも言えますね。
特に魚の骨のように小さな出来事や記憶、それにまつわるアイテムの中に、大きなヒントや人生全体を貫くようなテーマが隠れていたりするものです。
大きく変わるために、小さなパーツに集中する。
そうした作業は、非常に楽しくも新鮮な衝撃を伴ってくるはず。やはり神は細部に宿るのだと、今週は改めて実感していってください。
今週のキーワード
一本の花として立つこと