いて座
自然の一部となっていく
緻密に考えるのをやめてみる
今週のいて座の星回りは、「インドラの網」としての世界のごとし。あるいは、分断された世界をひとつの全体、ひとつの家として見ていくこと。
インドラというのは古代インドなどで信仰されていた天空神のことで、「強力な神々の中の帝王」を意味し、仏教では「帝釈天」の名で知られています。
インドラの宮殿には「網」が飾られており、その結び目にはそれぞれ宝石が付いていて、互いに映し合って無限に輝き続けるとされ、これは華厳宗の説く、すべての事物が無限に交渉し、通じあっているとする事事無礙法界(じじむげほつかい)とも対応しています。
世界は終わりも始まりもなく互いに影響しあい、原因も責任も理由もなく延々とループしている。
空海は「重々帝網名即身」と、成仏することはこの網としての世界と一体化して生きることだと言っていますが、ではこうした「網」をどこかでカットしたらどうなるか?
どこか一点を頂点とした構造が見え始め、原因と結果が生じ、論理でそれを追っていけるようになっていく。
ただ、29日(日)にいて座から数えて「ネットワーク」や「長期的な展望」を意味する11番目のてんびん座で新月を迎えていく今週のあなたは、網全体をできるだけ網のまま相手にしていくような、広いビジョンを求められていきそうです。
合理的推論は力が入り過ぎている
これまで地球には無数の人々が生まれてきました。そしてあなたもまた、そんな無数に生まれてきた人間のひとりであり、あなたの両親や、彼らの親がひとりでも欠けていれば、あなたは存在しなかった訳です。
人類の過去史が、そうして無数に繰り返されてきた生命や縁の連鎖であり、自分もまたそうしたパターンの一つだとして。
無限にも似た気の遠くなるほどの連鎖の起こりを考えていったとき、その最初の最初は「一」つのエネルギー体のようなものだったとして、その次は世界中の神話でも語られるように必ず夫婦のような「ツガイ」の形をとります。
そのことを考えると、やはり恋愛感情というものもまた、たんに子孫繁栄のために生物にプログラムされた錯覚だなどとは、とても思えません。
つまり、「(絶対に)この相手でなければならない」という確信というのは合理的推論を超えた、きわめてナチュラルなものとしてあり得るのであり、それが「網として世界を見る」ということでもあるのです。
今週は、そんな風に自分もまたその一部として組み込まれている自然を、少しだけお手伝いさせてもらうくらいのつもりで過ごしていくとちょうどいいのかもしれません。
今週のキーワード
純粋直感