いて座
リズムを整える
日常と非日常の分岐点
今週のいて座は、さながら流れるメロディーの中に置かれた休止符のごとし。あるいは、生理的なサイクルに囚われ過ぎないために、日常的なリズムの外に、いったん自分を置いていくような星回り。
皮肉にもうまくいっている時ほどつまづきやすい時はなく、思い上がりや傲慢さほど人を狂わせその運命を破滅へと導いてしまうものはありません。
しかし一方で、そうした人間やその運命の自然なリズムを狂わせる要因をあえて意図的に用いることで、人類は宗教的な営みを作り出し、神秘主義的な企てを試みてきました。
その点について、例えば先史学者ルロア=グーランは『身ぶりと言葉』という本のなかで、次のように述べています。
「自然のリズムの破壊、夜明かし、昼夜の逆転、断食、性的禁欲などは感性論よりも宗教の領域を思わせるが、それはただ近代文明においてこの二つがほとんど完全に分離されているからだ」
つまりこうした分離の結果、普通の感性を持った大多数の人たちは非宗教化されたリズムのなかで平穏な生活を送れているのですが、逆に言えば、平穏な生活が行き詰まってきた時こそ、「夜明かし、昼夜の逆転、断食、性的禁欲など」によって、人類は昔から狂ったリズムを整えてきた訳です。
今週はあえてそうした「休止符」を日常に打ち込んでいくにはちょうどいいタイミングと言えるでしょう。
呼吸と中心
ここ数週間、息せき切って駆け抜けてきた人は、ここでできるだけ残っているすべての息を吐ききってから、息を吸い込むことを心がけてください。
うまくいけば、その息のつなぎ目や、吐く息と吸う息が溶け合う瞬間に、大きなエネルギーを感じることができるはず。
息のつなぎ目は物事の終わりと始まりの交錯するリアリティーの結節点であり、自分はどこから来てどこへ行くのかを再確認していくタイミングでもあります。そこでぜひ次のように考えてみてください。
息が体の中に入るとき、いったいその息はどこへ行くのか? 息が外へ出るとき、いったいどこから息は出ていくのか?
息は中心へ入り、中心から出ていきます。そして中心とは頭ではなく、あくまでおへそ。
そして息というのは、あなたと中心とをつなげてくれる懸け橋であり、あなたはいま1つのサイクルの終わりと始まり、すなわち呼吸を通して自分が最大限の力を得られる中心点を見出そうとしているのです。
今週のキーワード
積極的休息