いて座
美意識の書き換えとその実践
わびさびの味わい
今週のいて座は、革製品の縫製工場でたまってしまった端革をリメイクして、美しい作品に仕立て直していく職人のごとし。あるいは、みずからの美意識を書き換えていくような星回り。
植物性の材料でつくられた革には、生きていた時に受けた傷が多く残り、作り手側もそうした傷みや汚れ、くすみや劣化が顕著な部分はどうしても避けてしまう傾向にあるそう。
ただ、それらの革は実際には質が良く、傷や劣化とされるものもむしろ味となり、きちんと仕立てていけばかえって立派なアクセントのように見えるものです。
そうした、自然なゆらぎやイレギュラーさを美しいと感じるわびさびの感覚は、整った美しさを追求するモダンな美意識とは対極をなすものですが、歳を取るごとにそういう感覚の方へと美意識が移り変わっていくのもまた自然なこと。
今週は出来る限り、世間一般では醜いとされているものの中に潜む美に目を向けていくとよいでしょう。
自分の弱点に命名する
今週のいて座のテーマは、自分や身近な相手の弱点を対象化すること、という風にも言えますが、それにはやはり自分の弱点から始めていくのが大切です(ここが逆だと、どんなに愛情があってもマウンティングとして受け取られてしまうので)。
自分の弱点や気にしていることを、デフォルメして名前を付けてみるのです。
例えば、お金のことばっかり気にしてしまう自分が嫌ならば、あえてそんな自分を「マネーの虎」とでも名付けておく。逆に、お金の管理や財テクなどの才に決定的に欠けているならば「財布バカ」など、とにかくできるだけ分かりやすく、というのがポイントですね。
というのも、そうして自分の弱点や欠点に名前を付けるのは、身近な人やパートナーに認識し呼んでもらうことが目的だから。
つまり、そうして自分の穴や弱みについて言及しやすい状況を作っておくことで、「あ、じゃあ僕がその穴を埋めますので、あなたはこの部分を埋めてもらえますかね」っていう分かりやすい価値交換が成り立ちやすくなる、という訳です。
自分の弱点を対象化するには、まず自分の穴をさらけ出す勇気と、欠点を欠点のまま抱えて生きる開き直りが必要なのです。ぜひお試しあれ。
今週のキーワード
自分の欠点や弱みこそ最大の才能