うお座
流れゆく者としての私
無限の彼方への持続
今週のうお座は、「うき草や今朝はあちらの岸に咲く」(乙由)という句のごとし。あるいは、無限の彼方にあるかのような目標を自然と目指していくような星回り。
浮き草といえば、ふつう水面に米粒ほどの大きさで浮かぶの緑の植物のことを指すが、掲句の場合、もっと大きな睡蓮の葉のようなものを指しているのでしょう。
美しい花が、きのうはこちら岸、今日はあちら岸と、まるでゆらめく水陽炎のように咲きついでいくさまは、どこか幻想的であり、夢の中の景色のようです。
しかし、時刻は朝。目覚めの時であり、物事が起きていくのは夢の中ではなく、あくまで現実において。
このことを、今週のうお座のあなたもよくよく胸に刻まなければなりません。
夢とまこと、過去と未来。隔絶しつつも、生きた<私>を通じてつながっていくそれら二景を、いかにして自覚的に結びつけていけるのか。見えない浮き草の導線を、あるいはどこかで繋がっている根を、克明に描き出していかんとする努力こそ、今週のあなたが取り組んでいくべき課題と言えるでしょう。
2つのレベルの間を流れゆく
人生とはつねにうつろいゆく風景のようなものと言えます。そしてたとえ猛烈な風が吹いていたとしても、ざわめき騒ぎ立つのはあくまで海の表面のみ。その下には深海が静かに広がっており、その逆も然り。
どんなに重苦しく不透明な海であったとしても、海面に出てしまえば、そこには日の光を浴びてきらきらと輝く穏やかな光景が広がっているのです。
表層と深層、人生にはつねに2つの異なる顔がその時々の表情を浮かべており、健全さとは、そうした2つの風景を行き来する、潮の流れのようなしなやかなアイデンティティーが保たれている状態なのだと言えます。
もし今あなたが青白い顔をした金太郎飴のように、特定の顔だけにはまり込んでいるのなら、すぐにでも探索に出かけましょう。あるいは、きらきらとした波間や、海中の神秘を思わせる相手がいるなら、彼らの懐に飛び込んでいきましょう。
今週のキーワード
太陽(未来)と月(過去)のはざまで