うお座
融通無碍な時間を楽しむ
雪どけと復活
今週のうお座は、「雪解川でんぐり返るつんのめる」(山口隆右)という句のごとし。あるいは、自分の中を、創造性の奔流が通り抜けていくような星回り。
雪どけの濁流が息せき切って流れていく。「雪解川」とは最上川や信濃川のような、雪国の大河だろうか。
「でんぐり返る」も「つんのめる」のも通常はあわて者の姿態を表す言葉だが、ここでは本格的な春の到来に先駆けて訪れた水の流れや、時間のずれの表現となっていて、そのまま春を待ちきれない喜びの描写にもなっている。
思わずが笑いが漏れだしてきそうな一句ですが、それはどこか今のあなたの心理状態にも通じているのではないでしょうか。
これまでは心の奥深く、見えないところで夢を見ながら冬眠していた心の一部が起き出してくるような、「復活」を象徴するようなタイミングです。
自然のリズムに任せる
「美しいと汚いは、別々にあるんじゃあない。
美しいものは、 汚いものがあるから 美しいと呼ばれるんだ。
善悪だってそうさ 善は、 悪があるから、 善と呼ばれるんだ。
悪のおかげで 善があるってわけさ。
同じように、 ものが「在る」のも、 「無い」があるからこそありうるんでね。
お互いに 片一方だけじゃあ、在りえないんだ。
(中略)
だから 道の働きにつながる人は 知ったかぶって手軽くきめつけたりしない。
ものの中にある自然のリズムに任せて 手出しをしない。
すべてのものは生まれでて 千変万化して動いてゆくんだからね。」
(加島詳造、『タオ 老子』)
世間では、前向きに生きるとか、美しいものに触れるといったことが肯定的な価値として捉えられがちです。
ですが今週は、そういう区別なんて本当はないのかもしれない、というところまで善悪の基準を無効化していった上で、自然のリズムと一体化していくことができるかどうかが問われてくるはず。
頭はからっぽにして、身体が何かを察知するのをじっと待つことです。
今週のキーワード
身体を振動体にする