うお座
移ろいの作法
力強く立ちあがるために
今週のうお座は、「女の手に空蝉くだけゆきにけり」(西東三鬼)という句のごとし。あるいは、失われたものを取り戻さんと、自分を再教育していくような星回り。
シリーズ自句自解という本には、次のようにあります。
「乾燥した美しい蝉の抜殻が女のてのひらに乗っていたが、あっとういうまにこなごなにくだけてしまった。何が気に入らないのか。」
おそらく、すべてが気に入らないのでしょう。より正確に言えば、自分にとってはすべてと思えるくらいの何かが。ただ、そういうものが壊れてしまうところから、人生というのは本当の意味で始まっていくもの。
どうしようもなく失いたくないと思っていたものを失った後の呆然を、例えば天災のたびに私たち日本人は乗り越えてきた訳です。
今週のあなたもまた、ただ奪われ失うだけの弱い人であり続けるのではなく、みずからの手で壊し、再び何かをつかんでいくだけの強さを意識していくことになるでしょう。
諦め方を変えていく
「このままずっと独りなんじゃないかと不安で」と、なにも行動していない内に悩まれている方をたまにお見かけします。休日を何もせず過ごしてしまった後なんかは、特にそんな不安が強まるかもしれませんね。
今週のうお座は、ある意味で「諦め方」がテーマなのだと言えます。例えば同じ「仕方ない」というセリフを言うのでも「哀しいあきらめ」を顔に浮かべていうのと、「成熟した、静かな落ち着き」を込めて言うのとでは、その意味も文脈も、その後の展開さえも異なってきます。
これまでに諦めた事もあるし、まだ諦めきれない事もある。だからこそ、今から諦め方を変えていくことで、あなたは生きていることの凄味を感じられるはず。
今週のうお座へのキーワード
『天災と日本人』