うお座
上か下か、右か左か
気持ちの置き所を探す
今週のうお座は、「春星へ電光ニュースのぼりゆく」(浦川聡子)という句のごとし。あるいは、傷つきやすい自分を守るか、鋭く切り裂くか、いずれかの展開へ傾いていくような星回り。
春の星はやわらかい夜気に潤んだような甘やかさを湛えていますが、一方の電光ニュースの光る文字はくっきりとしていて曖昧さを許しません。それに、あっという間に上へ上へと突き上げていったきり、スーッと断ち消えてしまう。
逆に潤んだ春の星はぼうっとしつつも、いつまでもしずかに灯っている。この対比が実に面白い句ですが、またそのどちらかに着目するかで印象がだいぶ変わってくる句でもあり、それは今週のうお座の運勢そのものを暗示しているようです。
速い速度で上へとのぼっていく電光ニュースは、現代社会を支配しているスピードやそこに生きる人たちの上昇志向。ぼんやりとした春の星はそこから取り残されてしまった人たちの憂いであり、そこに滲み出ている社会から失われた感情たちであり、いつまでも変わらぬ人間心理の表れと考えることもできるでしょう。
今週はそんな両者のはざまで、自分の立ち位置や気持ちの置き所がますます浮き彫りになっていくことになるかもしれません。
自分なりの幸せ
外からどんなに孤立して見えようと、自分の求めていた感覚に合致した温もりや、心が救われるオアシスのような場に出会えたときの喜びに比べられるものなど、この世にはそうそう在りはしません。
今週のあなたは、その時々のインスピレーションをうまく取り込みつつ、自分の感覚を頼りに「自分なりの幸せ」を見事体現してくれる贈り物を探し、見つけ出すことに心を砕いていくといいでしょう。
気持ちの置き所に“絶対的な正解”などありはしないのです。今週は、その時々の「自分なりの幸せ」を見つけられるようになっていくための訓練期間なのだとも言えるかもしれません。
今週のキーワード
春の星