うお座
サイクルとリサイクル
サイクルを回すということ
今週のうお座は、「菜屑捨てしそこより春の雪腐る」(寺田京子)という句のごとし。あるいは、目の前を過ぎ行くサイクルを、自分の目で見届けていくような星回り。
昔、まだ自治体によるごみ収集のなかった時代には、裏庭などに小さな穴を掘って、そこへ生ごみなどを無造作に捨てていたものですが、掲句はそんな時代を背景に詠まれた句なのでしょう。
溶けやすい春の雪の上に生ごみを捨てると、そこだけ雪がとけて少し汚い感じになる。
それを作者は、雪が「腐る」と表現した訳ですが、しかし同時に、そうやって自分や周囲を腐らせていくことでごみは土へと帰っていくのだということにも、もう少し目を向けていく必要があるのではないでしょうか。
生活や人生もまた、どうしたってごみは出る。それを「春の雪」のような美しいファンタジーで覆い隠したってしょうがないではないか。
今週は、現実に必ずついてまわる酸いも甘いも平等に認識し、受け入れていくことを特に意識していくといいでしょう。それでこそ、人生を前進させていくことができるはず。
掃除の幻想
ひとつ思いきったことを言ってしまえば、掃除をすれば綺麗になるというのは幻想なのではないでしょうか?
例えば綺麗にするという行為が、ただ見たくないものを視界の外へと追いやることとイコールである場合には、掃除は無責任さを誘発します。また、「ごみ」だと思って捨てたものの真価を、あなたが見いだせなかった場合、掃除は損失となります。
今週のあなたのテーマは、自分の人生に責任をもつこと、そして、いつの間にか失ってしまった価値を再認識することなのだと言えるかもしれません。
今週のキーワード
ゴミか宝か