うお座
天才か、妖怪
天才と書いて「バカの一つ覚え」と読む
今週のうお座は、数学(算数)以外はまるでダメだった子ども時代のアインシュタインのごとし。あるいは、「ひとつの好きなことを長くやり続けること」で感動を作り出していこうとするような星回り。
相対性理論で世界中の学者たちの感動を与えた物理学者のアインシュタインは、人類史上の傑出した天才を挙げてみろと言われれば必ず名前の出てくる天才の代名詞のような人ですが、小学校時代は「のろま」や「愚図」などと呼ばれ、クラスメイトに完全にバカにされていました。
おそらく、人の言うことを何でも信じ、何をやらせてものろのろぐずぐず。簡単にできることをわざわざ面倒なやり方をして失敗を繰り返す、そんな子どもだったのでしょう。実際、アインシュタインは9歳まで言葉を正しく使えず、勉強も数学(算数)以外はまるでダメだったのだとか。
彼自身も「わたしの学習をさまたげたのは、たったひとつ、教育である」と述べているように、まんべんなく落ち度のないように“普通”をしいる教育は、得意なことだけをひたすら長時間やってもいい学習の唯一にして最大の妨げだったのでしょう。代わりに、アインシュタインは「わたしは天才ではない。ただ、人よりも長く、ひとつのことに付き合っただけだ」とも述べています。
その意味で、2月1日にうお座から数えて「無意識のうごめき」を意味する12番目のみずがめ座で新月を迎えていく今週のあなたもまた、賢く小利口にまとまるのではなく、例えのろまや愚図と言われようとも、なんとなく無意識に選び取ったものを大切にしていくべし。
不穏な気配
例えば、あなたが最後に心から笑ったのはいつでしょうか?もしそれがすぐにパッと思い出せないくらい前のことならば、ここ最近、あなたには無意識のうごめき、すなわち不純な動機や破廉恥な妄想が幾分足りていなかったのでしょう。
うお座の人たちというのは、どこかでたらめなことを考えては、奇妙な振る舞いをしていると周りの人に笑われているような時が案外いちばん生き生きしているものです。なぜそういう時に生き生きしてしまうのか。野暮を承知で言わせてもらえば、それは普段みんなが言いたくても言えないこと、現わそうとしても現わせないことが、自分と世界とのあいだの「余白」から突如として飛び出してくるからなのだと思います。
そういうものの一つが天才であったり、はたまた鬼や妖怪であったりする訳ですが、ただ自分がなんて呼ばれるかなんてことを一番気にしているのはだいたい本人であって、他の人は大して気にしていかったり、そもそも見えても聞こえてもいなかったりするのではないでしょうか。
今週のうお座は、物であれ人であれ、そういう不穏な気配のするところに惹きつけられていきやすいでしょう。
うお座の今週のキーワード
どこまでもうさんくさい存在であれ