うお座
帰還体験
試合からの帰還
今週のうお座の星回りは、全速力で塁を回ってホームベースに帰ってくるランナーのごとし。すなわち、ホームへと回帰して、なりふり構わず自分を守ることに集中していくような星回り。
日本語は主語がきわめて曖昧な言語として知られていますが、うお座というのもそれに輪をかけて「私」という主語を避ける傾向の強い人たちです。それは周囲の人に自然とエネルギーを分け与えてしまいやすいからなのですが、今週はそこに「待った」をかけてあげるタイミングと言えるでしょう。
こんな時に思い浮かべるとすれば『老子』の第56章。 いわく
「すべての感覚を閉ざし、理知の働きをやめる。すべての鋭さは鈍らされ、すべてのもつてはときほぐされる。すべての激しさは和らげられ、すべてのごみが取り除かれる。これを玄同(深いアイデンティティー)という。」
こうなれば、誰もあなたのことを害することもできないし、偉いものとして扱うことも貶めることもできなくなります。これは消極的なように見えて、実に強靭に生と向かいあう姿勢ではないでしょうか。
誰かを貶めることの中に、自分を守るということを求めるのではなく、深いアイデンティティーに沈潜し、没頭していくことの中に求めていくこと。それがあなたの今週のテーマです。
宇宙からの帰還
そういえば宇宙飛行士がミッションを終え、宇宙から地球へ戻ってくると、ものの考え方や感じ方が変わり、宗教性が高まっていくのを感じるのだそうです。
これまで地球には無数の人々が生まれ、今後も多くの人が生まれてくるでしょう。そして自分もまた、そんな無数の人間のひとりであり、自分の両親や、彼らの親がひとりでも欠けていれば、自分は存在しなかった。
多くの人の交わりと、繋がれてきた命の連鎖を思い、編まれた縁を見つめる。そういう観想が、地球への帰還に際して、自然となされるからなのかもしれません。
今週は、あなたが生きようとしているパターンも、過去無数に繰り返されてきたもののひとつに過ぎないと気付くこと。そして、そうして繰り返されてきたパターンが生起した最初の最初、「一」つのエネルギー体のようなものへと意識を向けること。
そうした意識の動きがいつにもまして強まっていきそうです。
今週のキーワード
玄同