うお座
地を這い、理を立てる
おらべよおらべ
今週のうお座は、「寒夜叫(おら)ぶよ自作CD地に並べ」(高柳克弘)という句のごとし。あるいは、自分を信じて頼ることで、新しいリアリティーを積み上げていこうとするような星回り。
季語は「寒夜(かんや)」で、路上で歌うストリートミュージシャンが寒さにも負けず、たくましく生計を立てようとしている姿に、作者は自分を重ねているのでしょう。
「おらぶ」は、万葉集にも登場する西日本、特に九州地方の方言としても残る古い古語で、口をあけて大声で叫ぶことを意味します。
人口密集地帯に居住していることの多い現代人は、カラオケ以外ではもはや大声を出す機会はほとんどなくってしまいましたが、万葉集が編まれた頃の古代人は、自然の中で「おらぶ」ことで山を響かせ、交感し、生命エネルギーを取り込んでいたはず。
掲句が都会の光景を描いていながら、どこかプリミティブな情感を抱かせるのは、歌(うた)というものがそうした根源的な生命の営みをいにしえの昔から継いできたものだからかも知れません。
28日(月)にうお座から数えて「理想」や「ビジョン」を意味する9番目のさそり座で新月を迎えていく今週のあなたもまた、そんな作者のように思わず自分をそこに重ねたくなるような理想のビジョンを描いていくこと、見つけていくことがテーマになっていきそうです。
プエブロインディアンの末裔たち
プエブロとは、特にニューメキシコ州やアリゾナ州に残るインディアン部族のことで、現在その末裔の数は約3万5000人ほどと言われています。
ただ、長らく彼らは現代社会における都市の徘徊者であり、しなびた知力のシンボルと言われてきました。そうした伝統との断絶や荒廃した期間を経て、しかし現在彼らはふたたび自然と調和する彼らなりの方法を確立し直し、平和で霊的な集団生活の見本となっています。
もちろん、だからと言って今のあなたに自然に還れとか、都市生活を放棄しろなどと言うつもりはありませんが、どうかこのタイミングで、シビアな感覚を取り戻しておいてほしいのです。
つまり、自分は日々どんなことを積み重ねるべきなのか。大抵の場合、不自然の発生する原因は、理の欠如にあるものですが、あなたが依拠すべき「理」はどこに求めるべきなのか。
自分の生活や暮らしぶりを改めて戒める基準を、きちんと設定し、理を立てていくこと。それが今週あなたがしていくべき課題なのだと言えます。
今週のキーワード
根源的な生命の営み