うお座
よく眠る者はよく生きる
「生きる力」の発現としての進化
今週のうお座は、ラマルクの進化論における「形成力」のごとし。あるいは、「生みの苦しみ」を感じていくような星回り。
今日の世界では、進化論と言えばダーウィンの自然選択説(環境によりよく適応したものが子孫を残して,その変異を伝える確率が高くなるというもの)が定説となっていますが、じつは彼以前に最初に進化論を唱えたのが19世紀の博物学者ラマルクでした。
ラマルクはすべての生物はほぼ同じ進化の道筋をたどると主張し、複雑怪奇な生物の大連鎖もある一点から見ればひとつながりの系統になるだろうと考えました。
つまり、「現在さまざまな生物がいるのは、それぞれの生物が自然発生してから経過した時間が違うからであり、単純なものほど新しく、複雑な生物ほど古くに発生した」(更科功『化石の分子生物学』)という風に。
つまり、すべての生物には何らかの「生きる力」が潜んでいて、その力に直線志向的に導かれるように、種は固定したものではなく進化していくのだと発想していた訳です。当然、遺伝情報の本体としてDNAなど知る由もない頃にです。
彼はすべての生物の中に流れている新たなフォルムを生む力を「形成力」と呼びましたが、これはちょうど5月27日(月)にうお座で形成される下弦の月から6月3日(月)のふたご座新月へ向けた今の時期にうお座のあなたが感じていきやすい“エネルギーの流れ”のイメージに近いでしょう。
いま自分が“どこ”へ向かっているのかという「答え」は分からないかもしれませんが、そうした生みの苦しみの中でこそ、あなたの「進化」を後押ししている根源的な力のようなものを次第に身近に感じていくことができるはずです。
夢を仕込むということ
人は夢の中では、覚醒時の数倍の長さの体験を持つことができると聞きますが、これはどこか竜宮城で乙姫らと楽しい一時を過ごした浦島太郎のお話とも通じるところがあります。
夢の中は治外法権であり、この世とは別の時間が流れていて、それゆえにさまざまな楽しみで彩られている。これがもし、現実と直結していて、すべての夢がやがて実現していき、現実の出来事と同じように扱われるようになったら、どうなるか。
おそらく、夜寝てからの、あのだらしなく、ふしだらな愉しみがなくなってしまうショックで、白髪になってしまうでしょう。
今週は、つい生き急いでしまいがちな生活のリズムに余裕をつくって、スケジュールの中に何もしない空白時間を設けてみたり、睡眠の質を高めるための一手間をかけてみるのもいいかもしれません。
今週のキーワード
非現実的な夢を見る