てんびん座
念力発現
火事場の馬鹿力
今週のてんびん座は、「縛されて念力光る兜虫」(秋元不死男)という句のごとし。あるいは、爆発的な衝動を必死に押し込め、淡々と消化(昇華)していくような星回り。
カブトムシ(兜虫)に糸を結びつけて、たばこの箱やライターなんかを引っ張らせて遊んだことはないでしょうか。そして、そこで発揮されるカブトムシの恐ろしいほどの力強さに、なにか得体の知れない五分の魂を感じた記憶は?
現在のてんびん座もまた、どこか「縛された」状態のカブトムシに重なるようなところがあります。
ですがむしろそれがきっかけで、かえって火事場の馬鹿力が発揮されていくことになるのかもしれません。
手付かずのまま放置していた書類や仕事などがあるのなら、今週は片っ端から手を付けてごそっと処理してしまうのも手でしょう。力強い底力を感じさせる星回りです。
速度の再発見
力を入れるためには、力の抜き方が鍵となってくる。
常人離れした作品を遺していった作家や思想家には、さまざまな共通点が見られますが、そのひとつに、「散歩を日課にしている」というものが挙げられるように思います。
例えば文豪ディケンズは、心身を健康に保つための日課として、また創作のヒントを得るため、散歩にいそしんだと言われています。
「歩くリズムがその人の文体を作る」と言っていた思想家もいましたし、村上春樹なんかも集中力を高めるためにマラソンを始めたとどこかで書いていました。
歩いたほうがいいのか、走ったほうがいいのか。それはやはり、自分の足に聞いてみるしかないのでしょう。
カブトムシにもいちばん力が発揮できる速度というものがあるように、あなたにもまたあなた本来の速度があるはず。今週はそれを見つけていってください。
今週のキーワード
文体練習