てんびん座
堂々と魔がさすまま
だってもヘチマもないんです
今週のてんびん座は、「魔がさして糸瓜となりぬどうもどうも」(正木ゆう子)という句のごとし。あるいは、のんきな顔で大胆に切り抜けていくような星回り。
思わずぷっと笑ってしまう一句。どうして作者が「糸瓜(へちま)」になってしまったのかは分からないですが、のっぺりと長い実を垂れ下げる「糸瓜」のようなのんきな顔で、バツが悪くなった状況に「どうもどうも」と挨拶を入れていくのは、なかなかどうして大胆な振る舞いのようにも思えてくるから不思議です。
「魔がさして」とありますから、いつもはしないようなことを何とはなしにパッとしてしまって、周囲をびっくりさせてしまったのでしょう。
生きている人間の顔というのは、思った以上に真面目な顔をしていて、だから周囲としても真面目な顔をせざるを得ませんが、相手が「へちま」となれば、こっちだって「ひょうたん」だったり「からすうり」であってもいい訳ですから気が楽になるというもの。
そう考えると、案外「へちま」になってみせることができるのも一つの立派な芸と言えるかも知れませんね。
23日に太陽がさそり座に入ると同時に、てんびん座から数えて「自然体」を意味する5番目のみずがめ座で上弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、のびのびと「魔がさす」自分を周囲へさらしてみるといいでしょう。
<外部の主語>を持ってくる
映画『2001年宇宙の旅』では、400万年前にアフリカのオルドヴァイ峡谷に出現した長さ4~5メートルの石柱状の謎の物体として知られ、ヒトザルの知的生命への進化を助長する役割を果たした「モノリス」ですが、元来はラテン語とギリシャ語に由来した「一枚岩」の意味で、ストーンサークルや古神道における磐座(いわくら)信仰などとも関連してくる代物です。
例えば、京都の鞍馬山の奥の院・魔王尊も、650万年前に地球霊王たる魔王尊が降り立ったとされる磐座信仰の聖地ですが、聖別される場所(聖地)とされる場所にはそれなりの理由があって、それは磐座(一枚岩)だけでなく、そばを流れる川や湧き水、薬草、地質、地形、植生などなど、様々な点と点が繋がりあうことで、『風の谷のナウシカ』に出てくる腐海の底のように、深い深い循環システムを持っているのです。
モノリス=聖なる岩というのは、そうした循環システムを稼働させていくための「意志」の発現のシンボルであり、言わばスイッチのような役割を果たしているのだと言えるかも知れません。
人間、頭で考えたからって何かを始められる訳じゃないんですよね。どこかから「意志」つまり<外部の主語>を持ってきて、そこから行為が始まっていく。「魔がさす」とは、そういうことでもあるのではないでしょうか。
その意味で、今週のてんびん座はそうした「意志」ないし「主語」と自分を改めて接続していくことがテーマとなっていく訳です。
今週のキーワード
自分パワースポット化計画