てんびん座
血肉で語れ
教師の矜持
今週のてんびん座は、決して教科書には載っていない教師の一言のごとし。あるいは、思想ではなく感覚を、何かの影や痕跡ではなく生々しい経験そのものをこそ突き動かされていくような星回り。
勉強に逃げてはいませんか? 知識に頼ってはいませんか?
頼るべきは「あなた」自身なのです。
勉強や知識は先人たちの礎であり、そこに身を預けている方がずっと楽ではありますが、そこでは人の心を動かすようなものは決して発生していきません。
生徒の記憶にずっと刻まれるような一言は、マニュアルや指導要領に載っているようなものではなく、きまって教師の血肉や人間らしさから紡がれたもの。
そうした判断ができるか否かを、今週のあなたもまた試されていくはずです。
自分は何者であるか?
例えば、ドイツ出身の物理学者で「量子論の父」マックス・プランクは、ティコ・ブラーエとヨハネス・ケプラーという、いずれも史上最も有名な2人の天文学者たちについて次のよう指摘しています。
彼らの違いを決定付けるものは、単に天体の観察結果が最終的に算術的に統合できるだろうという信念をはるかに超越し、それらの背後に永遠の創造法則や計画があるに違いないという深い信仰心の有無にある
つまり、ティコ・ブラーエにはそれがなかったゆえにただの研究者の域を出ず、ケプラーのような新しい天文学の創造者にはなりえなかったのだと言っているわけです。
少なくとも、プランクにとって2人がどんな人物であったかという評価を分けたものは、そうした深い「信仰心」であり、それが感じられる彼らの一言だったのでしょう。
これはまさに、生々しい実感そのものに突き動かされることがなければ持ち得ないものです。
さて、あなたはどちらのタイプの人間としていずれ記憶されるのか、そしてされたいのか。一度考えてみるといいでしょう。
今週のキーワード
実感と信仰