てんびん座
縁の下の力持ち
復活を支える側の心得
今週のてんびん座は、ある種の隔世遺伝に思い至っていくような星回り。あるいは、自分や他の誰かを支える隠れた背景の力をしっかりと見通し、再評価していくこと。
どの時代であっても異彩を放つ非凡な人たちというものは、忘れられた文化やその末裔が、その系譜も途絶えんばかりになった頃に突如ふたたび復活し、返り咲いた大輪の花だと考えてみてほしい。
そしていま現在では、風変わりに映り、歯にはさまった異物として自分でもどこか忘れ去ろうと必死になっている過去やつながり、他者や才能が、自分の内部や周囲に転がっていやしないだろうか、と考えを進めてみるのだ。
そうした隠れた財宝を自身や身の周りに発見し、その価値を認めることができた者だけが、世の中に抵抗しながらそれを養い、護り、敬い、育てていくことができる。
一族であれ音楽であれ、何かひとつのものが長く続いてこそ、復活劇が成立しえるのだということを今週はよくよく胸に刻んでいくといいでしょう。
名前のついていない仕事に目を向ける
いまだ市場経済において産業サービスとして見なされず、適切な報酬のもとで売買されていない生産行為を、イリイチは「シャドウ・ワーク」と名付けましたが、世の中にはまだまだそういう「名前のついていない仕事」がゴロゴロ転がっています。
イリイチによれば、学校の中の生徒、病院における患者、交通機関における通勤・通学者もまた、シャドウ・ワークの担い手であり、こうした概念を通して見ると、労働や仕事に関する既存のイメージがいかに柔軟性を欠いた硬直物であるかを思い知らされます。
今週のてんびん座は、どこかでそうした「シャドウ・ワーク」に光を当てるインスピレーションを拾ってきては、自分なりの物語へと紡ぎなおしていくところがあるでしょう。
「縁の下の力持ち」という言葉もありますが、そんな人間生活を支えるサブシステムが老朽化し、放置されていった結果、全体が立ちゆかなくなるということはこれまでも多くの人が経験してきたはずです。
今週は、ぜひともそうしたリスクにきちんとの目を向けて、まずは自分の中で見方を変えていくことを心がけてみてください。
今週のキーワード
シャドウ・ワーク