しし座
純粋であること
全裸になる
2018年、最初の週のしし座は、本来の意味での「晴れ」の日を迎えていくよう。すなわち、長雨の後に天気が回復し、晴れ間がさしたような節目に当たるタイミングで、改めて晴れの舞台を踏んでいくような星回り。
動物寓意譚『フィシオロゴス』では、獅子の子どもは死産で生まれくるという記述があります。
羊水の膜の中で生死の境をさまよった状態でおり、親は「生きろ、生きろ」とそばで吼えはすれど、獅子の子どもは自らの力で羊膜を食い破り、「生きる」という意志を点火させるように、吼え出て行かなければならないのです。
劇的であり、祝祭的であるということは、自らの意志で「衣服」という社会的記号を脱ぎ捨てるということであり、誰かに定められた役割や期待から大きく逸脱していくということでもあります。
これまで引きずってきたものがあるなら。ただちに脱げ、そして逸脱せよ。
それが「生きている」ということの鼓動を感じる一番の方法であり、今週のあなたが踏んでいくべき「晴れの舞台」を象徴するハイライトとなっていくでしょう。
老人のように
晴れの舞台の一例として、ヘミングウェイの『老人と海』をご紹介しましょう。
たとえば、漁師の老人サンチャゴが巨大カジキを見事つり上げ、その成果をもって凱旋してきた瞬間が挙げられるかもしれません。少なくとも、彼に憧れを抱き、助手を買って出た少年にとっては、間違いなくそうだったはずです。
じつは『老人と海』には、老人サンチャゴをどこかイエス・キリストと二重写しに描く意図を明らかにしているような表現がいくつか出てくるのですが、沖合での巨大カジキとの3日間にわたる死闘の末の帰港が、「死と3日後の復活」と重ねられるという訳ですね。
あなたの中の不器用にしか生きられない部分が、何に対して、何のために命を賭けようとしているか。その動機付けに応じた「復活」を、今週は迎えていくことでしょう。
今週のキーワード
『老人と海』