しし座
誰そ彼のソシアル・クラブ
沈む夕日のように
今週のしし座は、まず肩の力を抜くことから始めてみてください。夕日で染まったビーチで軽めのお酒をひっかけながら散歩している時か、気の置けない仲間と好きな音楽でもかけて冗談を言いあっている時のような、気楽な時間を過ごすイメージで。
そうやって、あなた自身がすっかり緊張が解けリラックスした空気のような存在となって周囲を包んでいけるかどうかが問われてきそう。
そうでなければ、煙のようにどこかへ消えてフェイドアウトしたくなるかもしれませんね。 大人になったあなたは、もはやイノセントではないけれど、その代わり洗練と教養を身に着けたことと思います。
ここで言う洗練と教養とは、強い光を伴って輝かなくても魅力的でいられる術のこと。まさに「夕日」のようにあえて際立つ存在感は控えめに、空間を共有する誰かと輪郭を溶けあわせる。
あちらからくる光と、こちらからきた光、2つの光がまじりひとつになってゆくトワイライト=夕暮れ=たそがれ=「誰そ彼」の感覚です。
誰でもないようで、誰でもありえる。何かが起こりそうな空気というのは、そんなおぼつかない感じのときに、フッと湧いてくるものです。
50代でも一番若手
最近、SNS上で「30代は大人の10代」という発言を見かけたのですが、なんだかあざとさを感じてしまって、もっと違う「老い」のカタチを探していたところ、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のことを思い出し、久しぶりに視聴し直しました。
これはキューバ国外ではほとんど知られていなかった老ミュージシャンたちの演奏を中心に、彼らの来歴や日常を追ったドキュメンタリー映画で、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」というのは1940年代にキューバに実在していた会員制の社交クラブの名前なのだそうです。
この作品に参加したミュージシャンのほとんどは、ゴミ収集などで生計を立てていた黒人住民なのですが、会員になる条件は「礼儀正しいこと」と「道徳を備えていること」だったそうです。なんとも粋な話ですね。
なお、出てくる人は全員おじいちゃんかおばあちゃんで、メンバーの中で一番若い、若手と呼ばれる人で1946年生まれ。でも、弾けっぷりなら最高齢の人だって負けていません。むしろ年を取ればとるほど若々しくなっているようにも感じられました。
こういうおじいちゃんやおばあちゃんが街に溢れたら、世の中もっと素敵になりそうだな、と思わず考えせられてしまう作品です。
今週のキーワード
空気のような存在となって周囲を包む