しし座
毒を呑んでうめく者
認識の代償
今週のしし座は、みずからの身に備わった人間毒を煮詰めていくよう。あるいは、私が私であることへの憎悪を、正直に受け入れていくような星回り。
任意の思想家をとりだして、その真価を確かめようとするのなら、次のような問いこそが最も重要な、そしておそらくは唯一の問いと言えるのではないでしょうか。
「いったいおまえは、‟認識”のためにどれだけ苦しんだのだ?」
世間の人からすれば些細な認識への遅々たる歩みにさえ、多大なる代償を払ってきた者と、ほとんど苦難ぬきに、それなりの知識と実績を得てきた多くの者たちと。
前者をこそ峻別していくのでなければ、人は「偉大」という語の意味をすっかりはき違えていくでしょう。
どんな人の中にも、その人なりの人間毒があり、それがその人のなりの苦しみの原材料となっていく。つまり、その人なりの思想の味であり、面白みであり、愚かさであり、哀しさであり、こだわりであり、刻印されたかけがえのなさなのです。
8月1日(木)にしし座で新月を迎えていく今週は、そんな自分自身のコアの部分にある業のごときものから、自分なりの思想や哲学の真価をはかっていくことになるでしょう。
うめきこそ価値ある言葉
言い方を変えれば、今週のしし座へ伝えたい言葉は「他ならぬ自身の道を照らす者であれ」という一言に集約されていくのだ、とも言えるかもしれません。
それは、今の自分に対して適切だと思われる教育をひとつひとつ与えていくということであり、自分の内側に巧妙に仕掛けられた罠(毒)の存在をできるだけ深く知り尽くし、その作用や対処法、薬について熟知していく、ということでもあります。
そうした過程で、やはり自分自身の道を照らそうとしている同志と意見を交換したり、議論することもあるかもしれません。けれど、自分の道はあくまで自分自身で見つけていかねばなりません。
まずは「何をどうしたらいいか分からない」という不安な状態にきちんとひとりで直面し、ただ茫然とするところから始めていきましょう。
人が人であることに耐えるのは、辛いことですが、その耐え得ない「うめき」こそが、やがて認識の門を開く言葉となり、光をもたらしていくはず。
今週のキーワード
人間毒