しし座
運命夢
運命との再接続
今週のしし座は、「いつ逢へば河いつ逢へば天の川」(田中亜美)という句というのごとし。すなわち、魂の交流を通して、自分がどこか生まれ変わっていくような星回り。
自分と相手が一年に一度しか会えないとされる織姫と彦星なのだとしたら、一体いつが“その時”なのか。
それを畳みかけるように問いかけてくる掲句のリズムは、大地を踏みしめる踊りのステップのようにも思えてくるし、心臓の鼓動音にようにも思える。
一方、太陽系が属している星の集団のことを「銀河系」と呼びますが、これは平たい円盤の形をしていて、地球から特に星々が集中して見えているのが「天の川」の正体であり、私たちは銀河の中心から遠く離れた辺境に位置していることになります。
それを踏まえれば、「天の川をわたる」というのは、あるいは自分と相手を包みこんでは支配している運命の回転軸の中心へ接近し、再び接続し直していくための儀式であるとも考えれられるかもしれません。
そして、その意味で今週のしし座のあなたもまた、改めて魂が高揚するような運命の時を迎えるべく、自分を超えた何かとつながっていこうとしているのだと言えるでしょう。
三上寛の「夢は夜ひらく」
生きていれば、みずからの胸のうちに苦い思いが溜まってしまうことがあるものです。
しかし、そこでただ愚痴やストレス発散に向かうのではなく、ひとつの「夢」へと昇華させていくことこそ、運命の回転軸への接近に他ならず、またしし座の人たちというのもそういう形でこそ、自分で自分を救っていくということができるのだと思います。
かつて田舎者丸出しでライブに登場した三上寛は、誰も知ってる「夢は夜ひらく」に、全身全霊でオリジナルの歌詞をのせて歌い、そのライブは伝説となりましたが、それくらいの猛烈なエネルギーの発露が今のあなたにも必要かもしれません。
「七(質)に二(荷)をたしゃ九(苦)になるが
九(苦)になりゃまだまだいいほうで
四(死)に四(死)を足しても九(苦)になって
夢は夜ゆらくサルトル マルクス 並べても
明日の天気は わからねえ
ヤクザ映画の看板に
夢は夜ひらく八百屋の裏で泣いていた
子ども背負った泥棒よ
キャベツひとつ盗むのに
涙はいらないぜ」
今週のキーワード
「私が自分に問いかけるとき、私自身の奥底から説明のつかぬ夢が、生れでる。」(M・フーコー『狂気の歴史』)