しし座
逸脱と連帯
最初の一歩を
今週のしし座の星回りは、「必要な逸脱」という言葉に尽きます。ここのところ足元を停滞させていた足かせはいつの間にか外れており、新しい「世界」に移る自由は既にそこに転がっているけれど、果たして最初の一歩を踏み出せるかどうか。
これが意外と難しい。
檀一雄が家出する時に常であったように、ある日ひとり静かに忽然と、というやり方ではあまりうまく行かなそうです。自身の熱望を共有できる誰かと行動を共にすることで。つまり、人の真似をするのも、今のあなたにはちょうどいい手段かも知れません。あるいは、誰かの歌にのって、鼻歌まじりに身体を動かしていたら、自然と境界線を踏み越えていた、というパターンもありうるかも知れません。
ただどのような形であれ、「逸脱」は正直さと敬意に基づいたものでなければなりません。それは道筋を正統なものにし、あなたを正しい方向へと導いてくれるお守りのようなものと言えます。
探し求めるものを映しあう
自分自身を生き延びさせるための言葉を探そう。人との唯一のつながりの途としての言葉を探そう。
言葉は文字でなくても構いません。写真であっても、デッサンであっても、鉢植えであっても、リズムやメロディーであっても構わない。ただそれが、あなたが望む未来に確かな輪郭を与えてくれるものならば。
そして、使う言葉や育った背景を超えて、同じ未来を分かち合い、映しあえる仲間や同志を見出しましょう。そうした自分は決してひとりではないという確信こそが、他の何よりもあなたに必要な逸脱を後押ししてくれるはずです。
「網の上に置かれた真珠は、互いに反射しあって、他の真珠を映し出すだけでなく、他の真珠に映る自分自身の姿をも映し出します。世界全体が真珠ひとつひとつの上に映り、またその姿が別の真珠に映り、これが永遠に続くのです」(D.マンフォード他『インドラの真珠』)
今週のキーワード
必要な逸脱と最初の一歩、正直さと敬意に基づいて行動すること、探し求めるものを映しあう、ひとりではないという確信、D.マンフォード他『インドラの真珠』